一般的な犬のアトピー性皮膚炎は、ハウスダスト(ホコリ)・ハウスダストマイト(イエダニ)・カビ・花粉に対して過剰に反応することで発症します。人が皮膚をダニに噛まれるとひどい痒みに悩まされるように、犬も痒みのあまり噛まれた部位を自分で嚙んだしまったり引っかいたりして、脱毛や炎症などを起こすことがあります。
そうならないためにも、今回はダニの好きな環境をよく理解して、ダニ対策を考えましょう。
ダニが住みやすい環境条件
次のようなダニの理想の生息環境を1つでも取り除くことが、ダニの対策につながります。
条件1:集合場所
ダニは、カーペット、畳、ふとん、ソファなど人がよく触れて皮脂がつく場所や、暗い繊維が多く密集している場所を好みます。また、カーテンやぬいぐるみなどにも生息していることがあります。
条件2:湿度
約65~85%(50%以下の環境下では生息できません)。
条件3:温度
20~30℃(50℃を超える熱い環境では生息できません)。
条件4:食事
ダニが好む食事は主にホコリです。また、人間やペットのアカやフケ、あるいは食べかすやカビも好んで食べます。
ダニ対策
ここからはダニを退治するための具体的な方法をご紹介します。アレルギー反応を起こしてペットに辛い思いをさせないためにも、次の3つの方法を試してみましょう。
対策1:湿気の除去
- 室内の湿度を50~60%に保ちましょう。湿度が高い時は、除湿機やエアコンのドライ運転で室内の湿度を下げるよう心掛けましょう。
- 適度に換気をしましょう。特にマンションやアパートは湿気がこもりやすいので、こまめに窓を開けて空気の入れ替えをしましょう。
- 寝汗や外気との温度差によって生じる結露で、布団は湿気がこもりやすいです。天日干しや家庭用乾燥機でふとんの湿気をとりましょう。
- 日が当たらず、戸を締めたままでいることが多い押し入れも要注意です。扇風機の風を送り入れたり、除湿剤を設置して湿気を取りましょう。
- 浴槽、台所などを使用し終わったら水滴を拭き取りましょう。そのままの状態で放置すると、室内に蒸発した水が充満してしまいます。
対策2:掃除
ダニが好むホコリは、夜の間に畳やカーペットの上にたまります。掃除機をかけるのは掃除をする上で当然ですが、床にホコリがたまった状態で掃除機をかけてしまうと、ホコリを撒き散らしてしまうことになります。そのため、掃除機をかける前に雑巾がけをするとよいでしょう。
対策3:部屋の模様替え
- 床は、ダニが好む絨毯や畳よりもフローリングがよいでしょう。
- 畳床をダニが生息しにくい素材に替えると効果的です。
- 防ダニ効果のある布団やシーツなどを使用しましょう。
- 布製ソファを合成皮革などに張り替えましょう。
掃除する優先順位
- 寝具(布団、毛布、枕)、ベッド
- じゅうたん、畳、カーペット
- ソファ、イス、カーテン、クロス壁
- ぬいぐるみ、玄関マット、座布団
掃除の大切さをわかっていても、毎日隅々まで掃除をするのは大変ですよね。しかし、アレルギーを持っているペットは自分で掃除をすることはできません。飼い主さんが環境をしっかりと整えてあげて、アレルギー反応を起こさないように管理してあげましょう。
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