家の中ではペットシーツの上でおしっこをするのに、外出すると色々な所で少しずつしてしまう…そのように不思議な行動を取る犬もいます。少量ずつ目立つところにおしっこをかけて回る行為のことを「マーキング」といい、生理的にする排泄とは少し意味が違います。
お散歩の時にマーキングをするのは当たり前だと思われている方も多いかもしれませんが、おしっこをあちこちにしてしまう行為はマナー上あまり良いものではありません。マーキングを止めさせるには一体どうすればよいのでしょうか。
マーキングをする理由
犬はもともと群れで暮らしていたとき、自分達のなわばりを主張する目的であちこちにおしっこの匂いを残していました。特に片足を上げて高い位置からおしっこをする行為は「自分はこんなにすごいんだぞ」ということをアピールしているもので、群れのナンバーワンにしか許されていない行為でした。つまり、マーキングをする犬は自分が群れ(家族)のナンバーワンで、自分が匂いをつけてなわばりを守らなければならないと思っているのです。
マーキングをする犬
マーキングは、オス特有の行為と思われていますが、実はメスでも見られることがあります。性別というよりも性格に影響しているようで、活発で勝気な性格の犬が大人になると見られるようになることが多いようです。
マーキングを止めさせた方が良い理由
人間社会で暮らしていく上でどこにでもおしっこをしてしまう行為は非常に問題があります。自分の家の周囲でおしっこをされたらとても不快になりますし、おしっこを介して犬から犬へ感染する病気もいくつもあります。これらを避けるために、犬にとってお散歩は「マーキング」のためではなく、運動や知的好奇心を満たすための「楽しい時間」であることを飼い主さんが理解をしておかなければいけません。
マーキングを止めさせる方法
トイレのしつけの見直し
まず、トイレのしつけを根本から見直してみましょう。普段から家の中の決まった場所だけでトイレをするようにしていますか?家の中でもあちこちでおしっこをしてしまったり、トイレに行きたくなるたびに犬が散歩をねだるようであれば、まず家の中の特定の場所だけでトイレをする癖をつけさせましょう。
大切なことは、失敗しても怒ったり叩いたりせず、正しく出来た時によく褒めてあげることです。犬は褒められることで、「この場所でトイレをすると良いことがある」と感じ、その場所でトイレをするようになっていきます。
リーダーとしての威厳を見せる
マーキングを止めさせるために大切なことは、飼い主さんが犬のリーダーとして常に尊敬されているということです。マーキングをする犬は飼い主さんのことを自分のリーダーだとは思っていません。逆に自分が家族のリーダーとしてなわばりを守っていかないと、と思う心がマーキングをさせているのです。
「人間は自分の言うことをよく聞く」=「人間よりも自分のほうが偉い」=「自分がこの群れのリーダーだ」=「リーダーとして縄張りを守らないと」と犬が思っているうちはマーキングを止めさせることはできません。人が威厳を持ち「なわばりはちゃんと守ってあげるから、マーキングなんてする必要はない」と態度で示してあげることが大切なのです。
去勢手術を行う
群れのリーダーになろうとする行動は、男性ホルモンと関係していることが知られています。そのため、去勢手術をすることもマーキングを止めさせる方法の一つといえます。
ただし、去勢手術をすることによって100%マーキングが改善されるということではありませんので、あくまで「改善させやすくなる」という考えの上で、しつけは引き続き行うようにしましょう。
まとめ
最近はマーキングを防止するための小さなペット用オムツ、マナーバンドと呼ばれるグッズもたくさん販売されているので、しつけをしている途中の段階ではそのようなものを利用しても良いでしょう。
しかし、それでは根本解決にはなっていません。犬が人と楽しく過ごすために、きちんと飼い主さんがしつけを行い、人間社会で暮らしやすいように育ててあげることが大切です。
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