ふだん何気なく与えているおやつですが、どんな時に、どんなものを、どのくらい、どんな風にあげたらよいのか理解している飼い主さんは少ないのではないでしょうか。おやつの意味や適切な種類と量、そして与えるタイミングについてお話します。
ペットにとっての“おやつ”の大切さ
おやつを与えることはペットと飼い主さんのコミュニケーションを円滑にする効果的な手段といえます。しかし、おやつを与えすぎることで食生活が乱れ栄養が偏ったり、肥満になってしまったり、正しく与えなければマイナスな影響が出てしまいます。
そのため、目的に応じて適切な量をあげるのが望ましいでしょう。
犬も猫も、食べることが大好きな動物です。大切なペットの健康を考えるのであれば、「この子が欲しがるから…」という理由だけでのおやつを与えるのは控えましょう。
おやつの種類
基本的におやつは食事ではないので、色々な種類のものを与える必要はありませんが、ペットの健康に問題がなく、好きなおやつを知っておくことが大切です。
プレーンヨーグルトや繊維の多いおやつ
便秘がちなペットや、一度にたくさん食べられないペットの場合は、小分けにしてあげるのがいいでしょう。小食のペットがおやつだけでお腹がいっぱいにならないように気をつけましょう。
野菜
生野菜はカロリーも低いのでヘルシーだと思われがちですが、犬の腸は短いため栄養を吸収する前に便と一緒に排泄したり腸内で発酵してガスが溜まることがあります。健康面を考えると生野菜よりも茹でたほうがいいのですが、茹でると見た目の量が減ってしまうため、与え過ぎないように注意しましょう。
乾燥したおやつ
これを食べると胃に入ってから胃液を吸収して膨らむので、食べてからしばらくすると満腹になります。すると食事の時間になってもお腹が空かないため食生活が乱れる原因にもなります。乾燥したおやつを与える場合は「水分を含んだらどのくらいの大きさになるのか?」を想像して与えましょう。
最近はペットブームということもあり低カロリーのものや添加物の入っていないおやつもたくさん売っています。大切なペットの健康を考えるのであれば、おやつの中でもできる限り「おやつから遠く、主食に近い」ものがよいでしょう。
おやつを与える基本
犬はほとんど噛まずに飲み込む食性があるので、大量でも少量でも食べきるまでの時間はほとんど変わりません。したがって、少量のおやつのほうがいいに越したことはありません。
その子にとっての「少量」を知るには、まずペットの一日に必要なカロリー量を知りましょう。おやつの摂取量は、一日に必要なカロリー量の約10%程度までであれば、主食であるペットフードとの栄養バランスに影響がないといわれています。もちろん、一番の理想はペットフードのみをあげることですが、おやつを与える場合は1日のカロリー量を計算して、あらかじめペットフード以外の一日にあげてもいいおやつの量をビニール袋に入れておき、その中のおやつだけを与えるようにしましょう。
ここで重要なのは「小さくちぎって、できるだけ回数を分けて」おやつをあげることです。ペットはおやつの量よりも、「もらうこと」や「飼い主さんとのコミュニケーション」に満足しているのです。
おやつをあげるタイミング
いつ、おやつを与えていますか?おやつによって食生活が乱れるようではいけません。決められた食事の時間にちゃんとお腹が空くようなタイミングであげましょう。もしくはすべてご飯を食べたそのご褒美としておやつを与えれば、「これを食べればおやつがもらえる」という学習で、きちんとした食生活を送ることができます。
また、犬の中では空腹時間が長いと明け方に胃液を吐いてしまうペットがいます。そのようなペットには寝る前に少し消化のよいものをあげるのもいいでしょう。
人間は「おやつ」と「ご飯」は違うものと認識できますが、ペットにとっては「これおいしいな」「これおいしくないな」という違いがあるだけで、食べ物であることに変わりはありません。
まとめ
ペットと一緒に生活する中で、その子の健康管理をしてあげられるのは一番身近な飼い主さんです。必要な栄養とエネルギーを、高品質でバランスのとれた食事の中で与えること。これが健康を維持する上でなによりも大切であると理解した上で、適切におやつをあたえましょう。
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