実は「だっこ」も大事なトレーニング

飼い主さんが愛犬をだっこしてあげるのはどのような時でしょうか?お散歩中にねだられてだっこをしたり、帰宅して飛びついてくる犬を抱き上げることもあると思います。今回は、だっこの効果についてお話します。


だっこは必要なトレーニング

犬の中には、だっこが嫌いで、手を脇の下に入れると噛み付いてくる子もいます。しかし、いざという時のためにもだっこはできるようにした方がよいでしょう。

たとえば、動物病院で診察台に持ち上げるときや車に乗せるとき、自力で歩けなくなってしまったときなど、だっこができなければ支障が出てしまう瞬間もあります。これらの場面のためにも、日頃からだっこをできるようトレーニングしておきましょう。


だっこが嫌いになる理由

だっこを嫌がる犬は意外に多く、だっこという4本足すべてを地面から離してしまう行為が、落ち着かないからだといわれています。また、だっこの仕方に問題がある場合もあるようです。前足を持ってぶら下げたり、おなかの柔らかいところを持つような辛い姿勢で抱きつづけたりすることで、その苦しさからだっこを嫌いになる犬も少なくありません。また、突然背後から犬を捕まえてだっこをしたり、爪きりや耳掃除などとセットでだっこをしていると、だっこは嫌なものだと認識してしまうことがあります。 


だっこに慣れさせる方法

犬がだっこをしてもらいたい瞬間を待ちましょう。人に触れて欲しくて近づいてきたら、人が座っている姿勢のまま膝に乗るよう合図を出しましょう。そして進んで乗ってきてくれたらたくさん褒めてあげましょう。だっこをされると楽しいことがあるということを教えてあげます。


正しいだっこの仕方

犬が嫌がらない、正しいだっことはどのようにすればいいのでしょうか。

まずは膝の上でだっこをしてみましょう。膝の上にお座りしている子のお尻と背中を手のひらでそっと支えながらなるべく体を密着させるようにして安定させるのがコツです。

そして犬が落ち着いているようなら抱き上げてみましょう。利き手ではないほうの腕を犬の両脇の下に通して上半身を支えます。手のひらは背中を支えましょう。利き手はしっかりとお尻を支えて体を密着させたままそっと抱き上げます。決して腕だけを掴んだり、お腹を締めつけたり、不安定なまま抱き上げてはいけません。

大きな犬を抱き上げるときには、片手を両腕の前に、もう片手を両後ろ足の膝の裏あたりに持ってきて、両腕で包み込んで抱えるようにするとよいでしょう。


だっこのし過ぎによる悪い効果

だっこを頻繁にしていると、甘えん坊で臆病な犬になってしまうのでしょうか?いえ、そのようなことはありません。だっこをするという行為が人のほうが強いという意思表示になり、家族内での順位を確認することになっています。

ただし、性格的に弱く臆病な犬の場合、ちょっとしたことですぐに飼い主さんに助けを求めてだっこをせがんでくる子になることがあります。癖をつけないためには、時間を決めてだっこをすることで区切りをつけ、それ以外でしつこくだっこをせがんできても無視をして立ち去るようにするとよいでしょう。


まとめ

だっこは犬と人の絆を深めるだけでなくいざという時にも役に立つ、実は重要なトレーニングの一つです。子犬の頃から基本的なしつけの中に、「だっこ」を取り入れていくといいですね。