犬にはロングヘア、スムースヘア、ワイヤーヘア、カーリーヘアなど、たくさんの毛質があり、ダックス・フンドやジャックラッセル・テリアなどのように、同じ犬種でも毛質が異なる場合もあります。
今回はバリエーション豊かな犬の毛(コート)についてお話します。
コートの種類
それぞれのコートの種類とお手入れについてご説明します。
【ロングコート】
ロングコートは、ミニチュア・ダックスフンド(ロング)くらいの長さから、ヨークシャー・テリアのような地面につくほど長くなるものもあります。ロングヘアードともいいます。
ロングコートの犬は、日々のお手入れが大切です。定期的にスリッカーやピンブラシ、コームなどでブラッシングを行わないと、毛がもつれて毛玉になってしまいます。毛玉になってしまうと毛が切れてしまったり、皮膚が引っ張られることにより皮膚トラブルの原因にもなるので、注意が必要です。
ヨークシャー・テリアやマルチーズのように特に細く光沢のある毛をシルキーコートと呼びます。シルキーコートの毛をスリッカーでブラッシングをしてしまうと毛が切れてしまうので、ピンブラシや獣毛ブラシでブラッシングするとよいでしょう。シルキーコートの毛を伸ばしたい場合には、専用の紙で毛を包む『ラッピング』を行うことで、毛を保護しながらきれいに伸ばすことができます。
【スムースコート】
ミニチュア・ピンシャーやイタリアン・グレーハウンドのような体に密着して生えているような短い毛から、ラブラドール・レトリーバーのようにある程度の長さがある場合もあります。スムースヘアともいいます。
短くまっすぐな被毛が生えていて、ロングコートに比べるとお手入れが楽ですが、毛が抜けやすいので、対策として洋服などを着せるのもよいでしょう。
【ワイヤーコート】
シュナウザーやワイヤー・フォックス・テリアなどのテリア種にみられます。ワイヤーヘアードともいい、バリバリとした硬い毛質の上毛を持っています。この硬い毛質にするためには、『プラッキング』というトリミングナイフで毛を抜くという作業が必要です。
【カーリーコート】
プードルやベドリントン・テリアのように、くるくると巻いた毛が特徴です。お手入れを怠ると毛玉になってしまうため、ブラッシングが必要です。また、カーリーコートの犬の毛は基本的に長く伸び続けるため、さまざまなカットを楽しむことができます。
オーバーコートとアンダーコート
ほとんどの犬の体は2種類の毛でおおわれており、表面に生えている毛をオーバーコート(上毛)、その下に生えている毛をアンダーコート(下毛)といいます。
柴犬やハスキーなど寒い地域が原産の犬種は、保温の役割を果たすアンダーコートが多く生えています。このアンダーコートはブラッシングで取っておかないと、毛玉になりやすくなってしまいます。また、季節(温度)によって生え変わるため、換毛期にはたくさんの毛が抜けます。
オーバーコートはトップコートともいい、皮膚の保護の役割があります。
この2種類のコートを持つ犬をダブルコートといい、コーギーや柴犬、ポメラニアン、レトリーバー種、ハスキーなど多くの犬種がこれにあたります。
一方、オーバーコートしか持たない犬のことはシングルコートといいます。シングルコートの犬は換毛期がありません。ヨーキー、マルチーズ、シー・ズーやプードル、アフガン・ハウンドがこれにあたります。
また、なかにはヘアレスドッグといって、チャイニーズ・クレステッド・ドッグなど最初から体に毛が生えていない犬種もいます。ヘアレスドッグの場合はブラッシングの必要はありませんが、外部からの刺激を直接肌に受けてしまうので、防寒や紫外線対策、保湿などのケアが必要です。
まとめ
このように犬にはさまざまな毛質があり、それぞれケアの方法も異なります。これから犬を新しい家族に迎えようとしている方は、見た目や性格のかわいさの好みだけではなく、必要なお手入れの手間や費用などを現実的に考えてから決めることが大切です。
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