子犬のときは、好奇心旺盛でいろんなものに興味が出てくる時期です。
さらに、大人の歯に生え変わる時期は歯がむず痒いため、おもちゃや家具だけでなく、時には遊んでいる拍子に人の手も噛んでしまうことがあります。遊びだから、子犬だから、痛くないから、といってそのままにしていると、大きくなってからも人の手や体を軽く噛むようになってしまいます。甘噛みは攻撃をしているわけではありませんが、噛み癖が定着すると、ふとした時に誤って、怪我をしてしまう可能性もあるので、子犬のときに正しい対策を行いましょう。
子犬の甘噛み
犬は離乳を始めた頃からいろいろなものを噛もうとします。それは、固形のものを食べるようになり、歯と顎を使おうとする本能によるものです。文頭でもお話しましたが、乳歯から永久歯に生え変わるときには、抜けそうな歯がむず痒くて噛もうとすることもあります。そのため、子犬がものを噛むのを止めさせるのは困難ですし、噛むことによって歯や顎が丈夫になっていくので、無理に止めさせる必要はありません。
しかし、何でも噛むことを黙って容認していると、人の手もおもちゃも区別がつかなくなってしまいます。子犬は噛む力が弱くても、歯は逆に鋭く尖っているため、手を甘噛みさせていると、傷だらけになってしまうこともあります。また、しつけをせずにそのままにしていると人の手を動くおもちゃだと思い、噛むことは楽しい遊びと勘違いして、成犬になっても人を噛むようになってしまいます。
成犬の甘噛み
子犬の頃に甘噛みはいけないということをしつけされなかった犬は、大人になってからも何かの拍子に軽く人を噛むようになります。たとえば、人と遊んでいてだんだん興奮してしまったときや、注目してほしいときなどに見られます。飼い主さんはその子の癖として知っていても、もし知らない人に甘噛みをしてしまったら、犬は甘噛みのつもりでも、ほかの人には非常に怖がられるかもしれません。また、興奮が高まってしまった場合には強く噛み過ぎてしまって、人を傷つけてしまうこともあります。甘噛みは子犬のときからきちんと止めさせておかなければなりません。
次に、甘噛みのしつけのポイントをご紹介します。
子犬のしつけ その1「噛んでいいものを作る」
噛むことは犬の成長に欠かせないので、人の手の代わりに噛んでもよいおもちゃを用意してあげましょう。おもちゃは壊れにくく、飲み込めないくらいの大きさで、ある程度の弾力のある硬さのものがよいでしょう。布製のぬいぐるみなどは、噛んで布が切れたときに中の綿を飲み込んでしまうこともあるため、硬質のゴムなどでできているものがよいです。犬が何かを噛みたくなったら、手を噛まれる前におもちゃを与えるようにします。はじめのうちは楽しんで噛むことができるように、中に少量のおやつを入れたり、チーズやペーストなどを表面に少量塗りつけてもよいでしょう。
子犬のしつけ その2 「甘噛みはよくないことと教える」
甘噛みを止めさせるためには、甘噛みは人にとって楽しくない、という気持ちを伝えましょう。まず愛犬に手を甘噛みされたら、すかさず大きな声で「痛い!」と言って隣の部屋へ行き、犬を一人ぼっちにします。愛犬が静かになったら、戻ってきて興奮しない程度に話し掛けます。そして噛んでもよいおもちゃを与え、おもちゃを噛んだらよくほめてあげます。これを繰り返すことによって、甘噛みをすると楽しくない、おもちゃを噛むと楽しいということを覚えるようになります。
成犬のしつけ 「甘噛みをすると良くないことがおきると思わせる」
成犬は、構ってほしくて甘噛みしてくることが多いです。このような場合にも前述のような、噛まれたら無視するという方法が効果的ですが、しつこい場合には、甘噛みをしたタイミングで他へ注意を逸らす、別の方法を試しましょう。
たとえば、蓋のできる空き缶に鍵や硬貨を入れて用意しておき、もし犬がしつこく甘噛みをしようとしたら、見えないところでその缶を床に落とします。缶は大きな音をさせて床にぶつかるので、犬はビックリして甘噛みを止めるでしょう。それを何度か繰り返すと、甘噛みをするとびっくりすることが起こると思い、甘噛みを止めるようになります。ただし、犬が何かの欲求を表現するために甘噛みをしているときには、その欲求を汲み取って、甘噛みをする前になるべく満足させてあげるようにしましょう。
おわりに
甘噛みは、子犬の時期はどの子も経験することです。本来であれば子犬の頃に、兄弟同士でじゃれ合った時、お互い噛んだら痛い、という思いをして成長していきます。飼い主である私たちが甘噛みという行為は、人に対してよくないことをしっかりと教えていかなければなりません。
甘噛みをしてしまう原因も理解して、その子にあったしつけを考えてあげましょう。
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