思わぬ怪我の危険も!飛びつき癖をやめさせるには?

犬の問題行動はいろいろありますが、そのうちの一つが「飛びつき」です。

大型犬が人に飛びつくことはもちろんですが、小型犬でも飛びつかれた拍子にびっくりして転んでしまい、大きな事故になってしまう例もあります。過去には飛びつかれたお年寄りが骨折をして寝たきりになってしまい、訴訟問題になってしまったこともあるくらいです。

今回は犬が飛びつくのはなぜなのか、またその対策方法をお話したいと思います。


犬がとびつく原因は?

犬が人間に飛びつく主な理由は、人間に好意を示すための行動と考えられます。嬉しくて仕方ない、大好き、かまってほしい、という気持ちが高まって興奮のあまり飛びついてしまうのです。また、犬は高さで優位性を示しますので、飛びつくことによって自分の目線を高くし、犬自身の優位性を試している可能性も考えられます。


飛びつきをやめさせるには?

飛びつき行動を止めさせるために叱って直そうとするのは逆効果です。上記で説明した通り、犬は嬉しくて飛びつき行動をおこします。これを叱ってしまうと、その「嬉しい」と思った気持ち自体を怒られたと思ってしまい、臆病な性格になってしまうかもしれません。

また、声をかけたり落ち着かせようとして犬をなでたりしてもいけません。これは犬からすればかまってもらえた事になるので、要求は成功したということになり、飛びつき行動はますますエスカレートされていきます。


飛びつき癖をやめさせる効果的な方法

それでは飛びつき行動はどのようにやめさせれば良いのでしょうか。

飛びつき行動をやめさせるためには、まず興奮状態にある犬の気持ちを落ち着かせることが大切です。犬が飛びついてきたときは、リアクションをとらずに無視をしましょう。しつこい場合にはくるりと背中を向けたり、知らん顔をしてその場を一時立ち去ってしまってもよいでしょう。そして興奮がおさまり落ち着いてきたら、たくさん褒めるようにしましょう。犬は飛びついてかまってほしいという思いがあるので、「飛びついてもかまってもらえない」ことと、逆に「飛びつかなくてもかまってもらえる」ということを教えてあげればよいのです。

家族以外にも飛びつくようなら、犬が飛びついてきてもしばらく無視し、落ち着いてから遊んでもらうよう、あらかじめお願いしておきましょう。


「座れ」と「待て」を教えよう

無視する以外の方法として、しつけで使用する「おすわり」「待て」を教える事も効果的です。

飛びつきに限らず、「おすわり」や「待て」はワンちゃんを冷静にさせる手段としても使用されますし、おすわりの姿勢からいきなり飛びつくことはできません。

「おすわり」と「待て」をまだ覚えていない場合は、これを期に教えてみましょう。

飛びつき行動だけに限らず、しつけをするためには飼い主と犬との信頼関係がしっかりしていなければなりません。犬が飼い主の言う事を聞かないのは、犬が飼い主をリーダーだと認めていない事になりますので、日頃の犬との接し方が重要です。「おすわり」や「待て」といった基本的なしつけができていないと様々な場面で苦労することになりますので、なかなか覚えてくれなくても根気強く教えていきましょう。


どうしても直らない場合

興奮のあまり「おすわり」や「待て」の指示の声もと届かず、無視してもなかなか直らないという場合は、リードで動きを制限する方法もあります。

飛びつこうとした瞬間にリードを短くしてしまえば、物理的に飛びつきたくても飛びつけなくなります。来客時にはリードをつけて犬の動きを制限しましょう。リードをつけたままお客さんと対面させ、少し時間がたって犬が落ち着いてからリードをはずすようにすれば、トラブルを避けることもでき、自然に直る可能性もあります。


おわりに

犬の飛びつき癖は吠えたり咬んだりするのとは違い友好的な行動なので、問題ないと思いがちです。犬好きの人であれば、友好的な犬が大喜びして飛びついてきてくれたら喜んでくれるかもしれません。ですが、犬が苦手な人なら恐怖心を与えてしまいます。相手が犬好きでケガをさせかったとしても、飛びついた時に洋服を汚してしまったり、持っていたものを落として壊してしまったなど、トラブルの可能性はあります。愛犬を「トラブルを起こした犬」にしないために、日ごろからしっかりとしつけをしておきましょう。