ペットが事故に遭ったり急に体調が悪くなったときは、なるべく早く動物病院に連れて行く必要があります。しかし、体に痛みがあったり不調を感じている動物は人に触られることに非常に敏感になっているため、興奮させないように保護しなければなりません。また、連れて行く途中で症状が悪化しないようにするためには、いくつか気をつけなければいけないことがあります。
今回は動物病院へ連れて行く際の運搬法についてお話します。
動物病院に連れて行く準備
自身のペットではない動物が事故やトラブルなどで搬送が必要な場合、動物の保護、運搬から診察までの流れはなるべく速やかに行えるようにしましょう。
まずは、動物病院に前もって電話をしておきましょう。現在の状態を簡単に説明して、どうしたらよいのか指示を仰ぎます。病院が近い場合は徒歩で、そうでない場合は車で連れて行くことになりますが、自家用車がなく公共の交通機関やタクシーを頼む場合は必ず動物を乗せることが可能かどうか、確認をしておきましょう。
人を警戒しているペットの保護の仕方
特に交通事故などでけがをしているペットは非常に興奮しており、たとえ飼い主であってもパニックを起こしているかもしれません。いきなり触ったりせず、まずは十分に落ち着かせましょう。
①低めで優しい声を掛けながら体を動物に近づける
②体の一部を触れさせてくれるようになったら、顎の下や耳の後ろを撫でて落ち着かせる
③バスタオルや毛布などで体をくるむようにして抱きかかえる
もし、野良猫などでどうしても落ち着いてくれない時には、体全体をすっぽりと覆うくらいの大き目のバスタオルを頭からかぶせてしまい、見えなくなったところでタオルごと持ち上げてるようにしましょう。
運搬の仕方
【猫の場合】
犬はタオルで包んだまましっかりと抱っこして連れて行っても構いませんが、猫はタオルで捕まえたあと、なるべく洗濯ネットのような袋に入れてから、ペットキャリーに入れて連れて行きましょう。一見かわいそうに見えますが、猫にとっては袋状のものにすっぽりと入っているほうが精神的に落ち着く上に、その後の動物病院での診察もスムーズに行うことができます。
【骨折をしている場合】
もし、どこかが骨折している場合はなるべく患部に触れないようにしながら全身をタオルで包んでしっかりと抱きかかえるか、折りたたんだ毛布の上に寝かせて担架のように四隅を人が持って運びましょう。決して素人判断で折れた骨を直そうとしたり、ペットを歩かせてはいけません。特に背骨の骨折が疑われる場合は、なるべく姿勢を動かさずに、平たい板のようなものに乗せて運ぶと良いでしょう。
【意識がない場合】
もし、ぐったりとしている場合は、ペットの肩と腰の下に手を入れて、体勢が変わらないように注意しながら少しだけ持ち上げて広げた毛布やタオルの上に移動させます。そして横に寝かせたまま、なるべく水平にして連れて行きましょう。
手足を触ってみて冷たいようなら体の上にはもう一枚毛布をかぶせ、保温を心がけましょう。逆に熱中症で体温が非常に高い場合には腋の下や股に保冷剤をあてながら運びましょう。
途中で吐いたり急変してもすぐに気がつくように、呼吸の状態や口の中の粘膜の色などに気を配っておきましょう。
おわりに
いざという時は私達だけでなく、ペットも気が動転しています。しかし、興奮したり、暴れることで症状が悪化してしまう場合もあるため、動物病院への運搬は的確に、なるべくスムーズに行うことができるよう、頭の中で様々なケースを想定し、シュミレーションしておくことが大切です。
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