通常、犬や猫は裸足で歩きます。地面に接する部分は肉球と呼ばれ、毛の生えていない柔らかい皮膚がむきだしになっています。もしも散歩中に尖ったものを踏んでしまったら、柔らかい肉球はすぐに傷ついてしまうでしょう。外には折れ曲がったくぎや先の尖った石や木片など、尖ったものが落ちていることがあります。また室内でも画鋲やホチキスの針などを踏んでしまう危険性があります。もし、ペットの肉球がとげなどで傷ついてしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
肉球の傷を確認しましょう
もし、お散歩中に突然足の裏を痛がったら、まずは肉球を注意して見てください。肉球は感覚が敏感な場所なので、ほんの小さなとげが刺さっていたとしてもペットはとても痛がります。そっと肉球に触れながら、痛がっている場所を見つけてあげましょう。
とげを抜きましょう
とげを見つけたら注意深く引き抜きましょう。木片など崩れやすいとげの場合、破片の一部が皮膚の中に残ってしまうとそれが原因で長い時間をかけて化膿し、最終的に手術で皮膚を大きく切開して破片を取り除かなくてはならないこともあるため、とげ抜きなど、しっかりととげを持つことの出来る道具を使って引き抜くようにしましょう。
ただし釣り針は一般的な針と違い、「かえし」と呼ばれる逆とげがついているため、絶対にそのまま引き抜いてはいけません。ペンチでまず「かえし」の部分を切り取ってから釣り針の曲がりに沿ってくるりと引き抜くようにしましょう。
よく消毒をしましょう
とげがとても大きくて、たくさん出血している場合には止血を行いますが、大量に出血していなければ、血を絞り出すようにしながら傷口を流水でよく洗いましょう。なるべく深い場所の汚れも洗い出せるように、時間をかけて十分に洗い流してください。
傷口には消毒剤をつける、というのが一般的だと思われていることが多いのですが、流水で汚れさえしっかりと落とすことが出来れば、消毒剤を使わない方がかえって傷の治りが早いことが分かってきたため、無理に傷口に染みる消毒剤を使う必要はありません。
抗生物質の軟膏がある場合は、傷口を十分に洗い流した後に塗るのが効果的です。
必ず動物病院へ行きましょう
傷口をきれいにした後は、再び汚れないように清潔なガーゼで覆い、さらに伸縮包帯などで取れないようにカバーをします。その際、肉球だからと足先だけ包帯を巻くとすぐに抜けてしまうため、多少おおげさでも足首の上まで巻くようにしましょう。中~大型犬であれば、子供用の靴下を履かせてテープで止めても良いでしょう。そして抱っこするか、ケージに入れて動物病院に連れて行きます。
もし大型犬で病院に行くまでにどうしても歩かせなければいけないときには、包帯の上にさらにビニール袋をかぶせるなどの工夫をしてあげましょう。
刺し傷は傷口が小さくても深くまで細菌が入り込んで表面からは消毒しきれないこともあります。また、肉球はもともと皮膚が固くて治るのに時間がかかるため、たとえ小さな傷でも家で応急処置をした後は必ず動物病院へ連れて行き、診察を受けるようにしましょう。
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