ペットのための救急箱

皆さんは、ペットが怪我をしたときのために救急箱を作ってありますか?ペットの手当てに必要なものをまとめて入れておけば、何かあっても落ち着いて行動することが出来ます。また、常に一箇所にまとめておくことで、災害時などに必要なものをすぐに持ち出すことができるため、用意していないという方は、ぜひ参考にしてみてください。


ペットの救急箱を用意する意味

人用の救急箱を準備している飼い主さんは多いと思います。もし万が一何かあれば、その中で使えるもの使えばいい、と思われている方もいますが、ペットが使った器具を人が使うのは衛生上に問題があり、人の薬がすべてペットにも使えるとは限りません。そのため、ペットの救急箱は人とは別に準備をしておきましょう。


救急箱の保管場所

医療用の薬品類は変質しやすいものが多いので、日光が直接当たらない冷暗所に置いておくようにしましょう。しかし、押入れの奥などに入れてしまうと、いざというときにさっと取り出せません。人の救急箱と同じく、定期的に中身を点検、交換できる場所においておきましょう。そして「ペットの救急箱」と一目でわかるような目印をつけておきましょう。


救急箱の中身

【器具編】

医療用器具は常に清潔にしておきましょう。また、いつでも使えるように時々点検をして、電池の残量などを確認しておきましょう。


ハサミ:怪我をした場所の毛、包帯やテープを切ることに使います。医療用でなくても大丈夫ですが、毛を切る時にはなるべく先端が細くて刃が薄いものが使いやすいです。くれぐれも動いた拍子に皮膚を切ってしまったり、先端を刺してしまわないように気をつけましょう。

ピンセット(毛抜き):肉球に刺さったとげを抜いたり、傷の中のゴミを取除くことに使います。先端が細いものの方が使いやすいですが、誤って皮膚を傷つけないように気をつけましょう。

小型の鉗子(かんし):鉗子は本来手術などに使用する医療器具ですが、ペットショップなどでも手に入れることが出来ます。ピンセットの代わりに用いたり、耳の中が蒸れて外耳炎になりやすい子は耳の毛を抜いたり、耳の中を綿球でぬぐうのに便利です。

スポイトもしくは小型のシリンジ(注射筒):小さな傷口や目を洗い流す時や、シロップの薬を飲ませたりする時に使います。

先の尖ったペンチ:針金が巻きついてしまったときや、釣り針が刺さってしまった時に使います。釣り針はたいてい「かえし」がついているため、そのまま抜こうとしても傷口を大きくしてしまいます。かえしの部分をペンチで切断してから、回すように抜きましょう。

ペット用体温計:通常ペットの体温は肛門で測ります。耳内の赤外線量を感知するペット用体温計もあり、こちらのほうが短時間で計測することが出来ます。

小型の懐中電灯:口の中や耳の中をのぞくときに使います。また、毛に隠れた傷の様子を見るときなどにも便利です。また、片眼に光を当てた時に瞳孔が小さく縮まなければ(黒目が小さくなる、ネコちゃんの場合は黒目が細くなる)、光を感じていないことを意味しています。


【ペットの保定用具編】

興奮したペットを触るときに必要な道具も一緒にそろえておきましょう。


軍手もしくは皮手袋:ペットが痛みで興奮している時にはたとえ飼い主さんであっても噛み付いたり引っ掻いたりすることがあります。用心のために用意しておきましょう。

使い捨てのビニール手袋:もし飼い主さんが手に怪我をしているような時にペットの血液や膿などに直接触れると二次感染を起こすことがあります。これらの事故を防ぐために薄手のゴム手袋もしくはビニール手袋を用意しておきましょう。

洗濯ネット:特に猫の場合、痛みから暴れることによって状態を悪化させてしまうこともあるため、なるべく速やかに体を拘束する必要があります。ただ、抱っこしただけではすぐに逃げてしまうため、洗濯ネットに全身を入れてしまい、患部のみを外に出した状態でファスナーを閉めてしまえば、爪や牙からの攻撃を防ぐことが出来ます。

バスタオル:ペットの全身を覆うバスタオルや毛布があれば、ペットからの攻撃の大部分を防ぐことが出来るだけでなく、ペットを保温することにも使うことが出来ます。また、もしペットがぐったりとしている時や自力で歩けない時には担架の代わりとして使うことも可能です。


【衛生用品編】

使い捨ての衛生用品は人のものと兼用することができます。人のものを一部ペット用の救急箱に移しておきましょう。


包帯:ペットの場合、人と同じように包帯をしても嫌がって外してしまうことがあります。包帯は一時的に止血ガーゼを押さえたり、傷口が汚れないようにするためのものとして使用します。粘着タイプの伸縮包帯があれば、そちらを使用しましょう。

綿棒:耳の中や歯茎など、指の届かない場所に薬を塗ったり、耳掃除をするときに使います。耳の中で使うときにはくれぐれも汚れを奥に押し込まないように、見える範囲のみで使用するようにしましょう。

絆創膏:ペットは全身を毛で覆われているため、絆創膏はなかなかくっつきません。特に人が普段使っているガーゼ付きの絆創膏はほとんど役に立ちません。テープ型のものを用意しておき、止血ガーゼを押さえたり包帯を留めたりするのに使いましょう。ほとんどの場合、ペットが自分ではがしてしまうため一時的なものですが、逆に一度しっかりとくっついたものは剥がすのがとても大変です。ペットの皮膚はかぶれやすいため、何日もつけたままにしないように注意しましょう。

滅菌ガーゼ:傷口が汚れないように覆ったり、止血する時に用います。出血を止めるときには傷口に厚めに重ねて押さえ、出血するまで強めに押さえつづけます。もし、ガーゼの表面まで血がにじんできてしまった場合には、ガーゼは取り替えずにその上にさらに新しい滅菌ガーゼを当てて、血が止まるまで押さえます。血を何度も拭き取ったりしてはいけません。滅菌ガーゼは薬局で手に入れることが出来ます。

脱脂綿:消毒薬を染み込ませて傷口を拭き取ったり、耳の中の汚れをぬぐったりする時に使います。

清潔なハンドタオル:小型のタオルはガーゼの代わりになったり、包帯の代わりになったりといろいろなことに使えます。

冷却パックおよび使い捨てカイロ:冷却パックはやけどのときや熱射病の時に使います。また使い捨てカイロは、寒い時ばかりでなくショックを起こして末端の血流が悪くなってしまった時にも使うことができます。


【医薬品編】

ペットに処方された薬はしまう場所を決めておけば、人のものと混同せずに済むでしょう。また、外用薬でも人に使われる薬のなかにはペットに使えるものと使ってはいけないものがあります。獣医さんに確認しておき、万が一の場合に備えましょう。


低刺激性の消毒薬:ペットに使う医薬品はなるべく刺激の少ないものを選びましょう。傷口にしみるものは、消毒後に治療をさせてくれなくなることもあります。また猫の場合、ヨード系の消毒薬の中には舐めると中毒を起こすものもあるので要注意です。

精製水もしくは生理食塩水:傷口をきれいにする場合には、まず精製水か生理食塩水で洗い流すようにしましょう。傷口が化膿しないように消毒薬を使う場合も、そのまえに膿や汚れをしっかりと洗い流しておかないと消毒の効果は薄れてしまいます。また、目ヤニを拭き取る場合にも、生理食塩水を含ませた脱脂綿でふやかすようにしてそっと取除くと目の周りを傷つけることがありません。


基本的な応急手当の仕方

ペットが突然怪我をしてしまった時、痛みと恐怖からの興奮状態で、たとえ飼い主さんであっても近寄ることや触ることを許してくれないこともあります。応急手当をする時には、まずペットを落ち着かせてあげましょう。そして、飼い主さんも一緒になって興奮しているとその気持ちが伝わってしまうため、飼い主さんも落ち着いてペットに接しましょう。ゆっくりと声をかけながら少しずつペットに近づき、横に寄り添うようにしてそっと体を触ります。そのときに頭の上からや正面からいきなり手を出すと怖がるので、顎の下や背中を触るようにしましょう。体を触らせてくれるようになったら、少しずつ体をしっかりと抱きかかえるようにして、手当てを開始します。出来れば二人一組で一人が体を押さえて、もう一人が処置を行うようにするとよいでしょう。

一度は落ち着いても患部を触ると痛がり、再び興奮することもあるため、くれぐれも無理はせず、出来る範囲で行うようにしましょう。


まとめ

ペットが怪我をしてしまったら焦って何をしたらよいか冷静に判断できなくなってしまうでしょう。そんなときに少しでも的確に処置を行うために、日頃から救急箱を備えておき、使用方法まで確認しておきましょう。