犬が急に痩せてきたとき、どのようなことが可能性として考えられるでしょうか。体調に問題があって食べられずに痩せてくる病気のほかに、食べているのに痩せてしまう病気もあります。
今回は体重が落ちてしまう病気について注目してみましょう。
食欲がある場合
いつもと変わらずにご飯を食べているのに痩せてきた場合、考えられる病気には次のようなものが挙げられます。下記の症状に当てはまるかそれぞれチェックしてみましょう。
【糖尿病】
食べ過ぎ・肥満・運動不足などが原因で起こります。また、大量に水を飲み大量の尿を排泄するようになります。そして、衰弱・腎炎・嘔吐・呼吸困難・脱水などの症状が起きます。
【寄生虫】
犬の体内に寄生する寄生虫には、長さが10cmを超えるものから顕微鏡でないと観察できないほど小さいものまであります。また、寄生する場所についても小腸や大腸などの消化管内に寄生するものや血液内に寄生するものがあります。消化器内に寄生するものでは、虫卵などを食物や水などと共に摂取すると感染を起こし、栄養素が寄生虫に吸収されてしまうため、体重の減少を起こします。
【胃潰瘍】
一般的には環境の変化・外傷・気温などによるストレスや、胃の中に入った異物などによる物理的刺激などが原因で、元気消失・食欲の低下・嘔吐などの症状が起こります。胃潰瘍は様々な要因によって胃粘膜の防御機構のバランスが崩れた結果、胃酸や胆汁などによって胃粘膜や筋層が破壊されます。そして酷くなると出血や腹膜炎を起こすことがある、重篤な病気の一つです。
【甲状腺機能亢進症】
ホルモン疾患の一つである甲状腺機能亢進症は甲状腺に出来た腫瘍が原因で起こります。症状は、食欲があるにもかかわらず痩せてくる、眼球の突出、心拍数や呼吸の増加、多飲多尿などがみられます。
食欲がない場合
食欲がなく痩せてしまった場合、考えられる主な病気に次のようなものが挙げられます。こちらも下記の症状に当てはまるかチェックしてみましょう。
【口腔内疾患】
口内炎:やけどや化学薬品などによる口腔粘膜の刺激、細菌・ウイルスの感染、エイズなどの自己免疫疾患により発生します。主な症状は、食欲不振・よだれが大量に出るなどがみられます。痛みによって性格が狂暴になることもあります。
歯周病:歯の表面にべっとりと付着した歯垢(プラーク)が原因で起こる炎症です。歯周病にかかった犬は口臭が強く、歯肉は腫れて出血しやすく歯がぐらぐらになって抜け落ち、硬いものが食べられなくなります。
【心不全】
心臓の機能低下によって、体に十分な量の血液を送れなくなることから様々な症状を引き起こす病気です。心臓の血液を送り出す働きに問題が起きると体重の減少・不整脈・失神などの症状が起こります。
【膀胱炎】
犬に比較的多く見られ、細菌感染や膀胱結石などが原因で起こる病気です。症状として痛みを伴うことによる排尿困難や頻尿が表れ、一回の排尿量は少なく、排尿時には痛みから大声を出して鳴くこともあります。また、酷い痛みにより元気消失や食欲の低下が見られることがあります。
【肝炎】
肝細胞がさまざまな原因で炎症を起こして、症状を引き起こす病気です。主な症状に、食欲不振・嘔吐・元気消失などが挙げられます。肝臓は再生能力が高く、ダメージを受けていても症状がすぐに現れないため「沈黙の臓器」とも呼ばれます。そのため、症状が表れる頃には悪化していることもあります。
少しでも愛犬が痩せてきたと感じたり、上記のような病気の症状が見られる場合はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。愛犬の些細な変化に気づいてあげられるのは飼い主さんだけです。元気で暮らせるように、健康管理をしっかり行ないましょう。
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