犬の目ヤニや充血などが気になったことはありますか?
角膜に傷がついたり、細菌感染によって炎症を起こすことを角膜炎と呼び、犬の眼の病気ではもっとも多いものです。今回は、角膜炎について原因や症状、予防、治療法などについてご紹介していきます。
角膜炎の症状
角膜に傷がつくととても痛がります。犬は痛みや違和感があると、眼を床に擦りつけたり、眩しがるように眼をまばたきしたりします。またまぶたをめくると白目が赤くなっていることが多いです。
さらに、二次的に細菌感染を起こすと黄色や黄緑色の目ヤニがでます。
角膜炎の原因
角膜炎の原因として多いのは以下の場合です。
・シャンプーが眼に入ったまま放置する
・眼に埃が入る
・眼を強く擦る
・草の先端などで眼を傷つける
・逆さまつ毛
・アレルギーなどで眼の周囲の皮膚病が起きて角膜に広がる
・ドライアイ
どんな犬種がなりやすいの?
●アレルギーを発症しやすい犬種
柴犬、ウェスティ、シーズー、マルチーズなど
●顔の毛が目に入りやすい長毛種
シーズー、マルチーズ、ヨーキー、キャバリアなど
●逆さまつ毛の多い犬種
シーズー、マルチーズ、ペキニーズ、ポメラニアンなど
●ドライアイになりやすい犬種
シーズー、パグなど
●眼が突出した犬種
シーズー、パグ、ペキニーズなど
これらの犬種で多く見られます。
検査の方法
眼が赤い、目ヤニが出るなどの症状で動物病院に行くと、まずは検眼鏡を使って眼を全体的によく観察します。
それから蛍光黄緑色の色素を染み込ませた試験紙を使って角膜に色素を垂らして検査をします。これは角膜に傷がついていないかどうか調べる検査で、透明な角膜についた肉眼では分からないような小さな傷も発見することができます。色素は身体に害がなく、涙と一緒に鼻から排泄されます。
そのほかに
●異常な生え方をしているまつ毛がないかを調べる検査
●ドライアイが疑われる場合は、涙の量を計る検査
●眼に異常がみられてから何日も経過している場合や症状が進行している場合は、眼の中の炎症がないかを調べる検査
●眼圧の測定検査
などを組み合わせて行うこともあります。
角膜炎の治療
治療は主に目薬での治療になります。獣医師の指示どおりに、1日に何回もしっかり点眼をしてあげましょう。角膜の浅い傷ならすぐに治りますが、目ヤニを伴う場合や傷が深い場合は治療期間が2~3週間と長くかかる場合もあります。
目ヤニの中には細菌が含まれていて、細菌は角膜を溶かしてしまうはたらきがあるため、目ヤニをよく洗い流してから点眼しましょう。
※人用の市販されている目薬は眼の病気によってさまざまあります。角膜炎と全く関係のない目薬も多くあるので、眼の状態をきちんと把握してからでないと大変危険です。動物病院できちんと診察を受け、病院で処方してもらった目薬をさしましょう。
角膜炎を予防するには
長毛種は日頃からこまめにお手入れをして、特に眼の周りはまとめるかカットしてさっぱりとさせておきましょう。草むらや藪などに顔を突っ込むと眼を傷つけたり埃が入ったりするので、お散歩中は特に注意しましょう。
また、いざというときのために日頃から眼の付近に触れたり瞼をめくって白目を見たり、何でもさせてくれるように慣らしておきましょう。
上手な点眼の仕方
目薬が上手くさせなくて、困った経験はありませんか?上手な点眼の方法をご紹介します。
まずは点眼薬を手のひらに隠して愛犬を抱っこし、膝の上に優しく抱え、声をかけて頭を撫でてあげましょう。そのままゆっくりと上を向かせて犬の目線に注意しながら、目薬が見えないように後ろの方から点眼しましょう。落ち着いて点眼ができたらよく誉めてあげることが大切です。
まとめ
放置してしまったり、適当な目薬をさして逆に症状を悪化させてしまうと眼の奥の方まで炎症が進んでしまう可能性や、傷がより深くなり、手術が必要になってしまうこともあります。眼の病気は大変進行が早いですが、角膜の傷が浅い時にきちんと治療をすればきれいに治ります。逆に傷が深くなると白い痕が残ってしまい、最悪の場合は失明してしまうことも考えられます。眼に異常を感じたら、できるだけ早めに動物病院に連れて行きましょう。
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