ヨーキーってどんな犬種?

活発で元気いっぱいに飛び回り、シルクのような美しい被毛をもつヨークシャー・テリア、通称「ヨーキー」。今回はこの魅力満載な犬種についてお話します。


ヨーキーの歴史

ヨークシャー・テリアは比較的新しい犬種で、テリア系の小型犬とマルチーズなどの混血により作り出されたといわれていますが、正確にはわかっていません。犬種名はイギリスのヨークシャー地方に由来し、炭坑や織物工場でネズミを駆除するために飼育されていた犬でした。織物職人によって改良されたという歴史もあり、絹糸状の長い被毛は織機によって作られたものだと噂され、見せ物にされたこともあるといわれています。

被毛が美しく改良されたことにより愛玩犬として注目を集めるようになり、「動く宝石」と形容されて富裕層のペットとして大流行しました。

以来、婦人の間で人気が高まり、世界中でもっとも知名度の高い犬種として定着し、日本では皇后(雅子様)の実家で飼育されていたショコラちゃんの影響で、ますます人気の犬種になりました。


ヨーキーの性格

ヨーキーは、動物や子どもに対しても優しく、嫌なことをされても辛抱強く滅多なことでは怒りません。しかし、小さくて可愛いだけではありません。テリア気質は健在で警戒心も強く、活気と自尊心にあふれたエネルギッシュな犬でもあります。飼い主さんにも忠誠で、表情も豊かで明るく、気品を備えながらも堂々とした風格を持ち合わせています。


ヨーキーの魅力

ヨーキーの魅力は、なんといってもシルキーコートと呼ばれる絹のように美しい被毛です。生まれたばかりの時はほとんど真っ黒ですが、生後2~3ヶ月もすると頭部や四肢がはっきりし、日に日にヨーキーらしいスチールブルーに変化していきます。

ヨーキーはカットしなければ被毛が伸び続ける犬種です。そのため念入りな手入れが必要ですが、美しいフルコート(長毛)は、とても魅力的です。毛量が多そうに見えますが、シングルコートなので見た目よりも毛量は少なめで換毛期がなく、室内にいても抜け毛で困ることはあまりありません。


コート(被毛)の手入れ

柔らかく細いシルキーコートは、ブラッシングが不可欠です。ブラッシングをする際には、ブラッシングスプレーを使用するようにしましょう。ブラッシングスプレーは、静電気防止、紫外線防止、トリートメント効果のあるものを選んで使用すると、ブラッシングによる摩擦を防ぎ、さらにきれいなコートに仕上げることができます。

ブラッシングには見た目をきれいにする以外にも、皮膚に刺激を与え、血行を良くして新陳代謝を高める効果があり、その刺激によって新しいきれいな被毛が生まれてきます。また、愛犬と飼い主さんのスキンシップになるので、できれば毎日行ってください。

フルコートを目指す人はラッピングが不可欠です。ラッピングとは、摩擦や汚れからコートを保護するため、ラップと呼ばれる専用のペーパーで毛を小分けにしてまとめることです。

ラッピングしたままにしておくと血行不良や毛にクセがつく原因になるので、2~3日に1回はラップを取って全体をブラッシングし、巻き直しましょう。慣れてくると、短時間でできるようになります。


いろいろなカットバリエーション

ヨーキーといえば、頭の上で結んでリボンをつけるトップノットのイメージがあると思いますが、ロングでもショートでもいろいろなカットが楽しめます。

<シュナウザーカット>

口周り(アゴ下)、眉毛、四誌、腹下の飾り毛を残し、そのほかはバリカンですっきりとカットします。色も似ているので、まさに小さなシュナウザーの完成です。

<パピヨンカット>

耳の飾り毛を長く伸ばし、顔はすっきりとカット。体はお好みで、世界に一頭のパピヨンに仕上げてみてはいかがでしょうか。

<ミッキ-カット>

耳の周りの飾り毛を丸くカットして顔も丸く作ると、ミッキーマウスに早変わりします。

<三つ編・編みこみ>

フルコートを編み込んで、リボンなどでアレンジできます。


まとめ

ヨーキーは飼い主さんに忠実で、かわいくて賢い子です。しつけに苦労されている方も、一つ一つ愛情を持って教えていけばその愛情にきちんと応えて覚えていきますので、必ず家族に愛される存在になるでしょう。

ペットクリニック.com

獣医師発信のペット情報サイト