猫の特発性膀胱炎という病名を聞いたことはありますか?
特発性膀胱炎とは、検査をしても原因がわからないのに血尿や頻尿などの症状が見られる膀胱炎です。再発することも多く、完治させるのは難しい病気ですが、食生活や生活環境の見直しで発症を防ぐことができるとも言われています。
今回は猫の特発性膀胱炎について、症状や対処法などをお話します。
症状
まずは、猫の突発性膀胱炎の主な症状をご紹介します。
- 尿が出にくく何回もトイレに行く、または長い時間トイレにいることがある
- 尿をしながら変な声で鳴く(排尿痛)
- 尿が赤い
- 陰部をしきりに舐める
- トイレ以外の場所(特に浴漕や洗面台などの冷たい場所)で排尿する
このような症状が繰り返されるのがこの病気の特徴です。
ご自宅でできる対処法
では、次にどのような対処をすればいいのか、簡単で有効な方法をご紹介します。
【十分な水分を摂取する】
水分の摂取量を増加させるメリットは、尿中の有害な物質を希釈し、尿が膀胱へとどまっている時間を減らすところにあります。頻繁に尿を出して、過剰な膀胱の中の結晶を除去することが大切です。水を頻繁に与えることや飲水用の食器の数を増やし、飲水量を増加させるような環境を整えることが大切です。
【フードをドライからウェット(缶詰)に変更する】
特発性膀胱炎の治療において、食事はとても重要な役割を果たします。因果関係は証明されていませんが、種類によってはドライフードを食べている猫にこの病気が多く発生するともいわれています。これは、前述したように水分の摂取量に影響があるためです。
ドライフードに水や猫用のスープなどを加える、またはウェットフード(缶詰)に変えるなどの方法で、食事からも水分が摂取できるように工夫しましょう。
しかし、ドライフードを水でふやかしてしまうと食べなくなってしまう猫もいるようなので、その場合まずは「セミモイストフード」に変更し、その後に「ウェットフード(缶詰)」へ移行させる方法もあります。
【ストレスを最小限にする】
特発性膀胱炎の対処法としてもっとも重要なことが、猫へのストレスレベルを減少させることです。この病気の原因は完全には解明されていませんが、ウイルス・食事(特に多くのミネラルを含むドライフード)・肥満・遺伝的要因(特に長毛種)などに加えて、ストレスが症状を悪化させる要因になると考えられています。特に、同居猫との折り合いが合わない場合や攻撃的な猫と生活している猫に多い病気だということが分っています。
ストレスサイン
「猫の様子がいつもと何だか違う」と飼い主さんが感じるときには、猫が何かしらのストレスを感じているサインかもしれません。
猫の主なストレスサインを確認してみましょう。
【猫のストレスサイン】
- 不適当な排泄
- マーキング
- 過剰なグルーミングと自傷
- 過剰な鳴き声
- 食欲不振
- カーテンの後ろやベッドの下に隠れる
猫に考えられるストレスの原因は?
では、上記のようなストレスサインに繋がってしまうストレスの原因はどこにあるのでしょうか?
猫の主なストレスの原因を確認してみましょう。
【猫のストレスの原因】
- 多頭飼育
- 飼い主さんからの長すぎるマッサージ、過度のスキンシップ
- フードを違うものへ変更する
- トイレが快適でない(トイレ自体の汚れ、置き場所、猫砂の種類が合わない)
- 生活パターンの突然の変化(環境の変化)
- 長時間の留守番
- 動物病院への通院(繰り返される注射や痛みを伴う処置)
- 家族との別れ(離婚、家族の死、同居猫の死)
- 飼い主さんが怒っている、夫婦喧嘩、神経質な性格の家族の存在
- 治療が必要となる程度の負傷(ほかの猫とのケンカ等)
- 自分のテリトリー(窓から見えるため近所も含む)に新しい猫が入り込むこと
- 嫌いな臭い
- 極端な温度変化、天候の変化(風、雨、雷)
まとめ
今回は、猫の特発性膀胱炎の症状と、考えられる原因をお話しました。
猫は腎臓や泌尿器系の病気にかかることが多いため、トイレに行く回数や尿の色、飲水量の確認を普段から行う習慣をつけておき、少しでも変化があったら動物病院へ相談すると、病気の早期発見につながると思います。猫にとって快適な生活環境を整え、ストレスのない暮らしを意識しましょう。
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