ドッグランを楽しむために

ドッグランとは、犬が広い場所でリードをつけないで思いきり走り回って遊ぶことができるような施設のことです。利用者がお互いにルールを守ることで、犬はストレスを解消することができ、飼い主さんも一緒にのびのびとした楽しい時間を過ごすことができるため、今や全国各地に作られています。

今回は、そんなドッグランについてお話します。


ドッグランってこんな場所

現在の日本では犬を放し飼いにしたり、リードをつけないで散歩をさせることは、法律によって禁止されています。でも、たまには愛犬を思いきり走らせたい、一緒にボール投げやフリスビーキャッチをしたい、愛犬と一緒に遊ぶことができる犬のお友達を作ってあげたい、そう思ったことはありませんか?ドッグランはそんな犬と飼い主さんの要求をかなえるため、犬同士や飼い主さん同士が交流する場として誕生しました。

ドッグランは通常、広いエリアを柵で囲った施設で、中にはアジリティの練習をするためのトレーニング器具や水浴びができるプールなどが設置してある場合もあります。


連れて行ける犬、行けない犬

ドッグランの魅力を知ると、愛犬をドッグランに連れて行ってみたくなりますよね。まずは連れて行く前に、愛犬がドッグランに連れて行けるかどうか、連れて行って楽しめるかどうかをチェックしてみましょう。

<性格>

愛犬はほかの犬と仲良くすることができますか?もし、ほかの犬を怖がったり、逆に怒ったりするようであれば、ドッグランは犬にとって楽しい場所ではなく、ただストレスがかかる場所になってしまいます。

<しつけ>

ドッグランの中では基本的にトイレは禁止なので、どこでもトイレをする犬は入場を断られてしまいます。また、最低限「ダメ」または「まて」と「おいで」のコマンド(合図)を知っていないと、帰るときやトラブルがあったときに手間取ることがあるので覚えさせておくとよいでしょう。

<病気の予防>

ドッグランではたくさんの犬との交流があります。そのときに、もし1頭でもノミがついている犬がいたら、たちまちたくさんのほかの犬に広がってしまいます。そのような感染症のリスクをなくすために、狂犬病と混合ワクチンの予防接種、ノミやマダニの予防薬をきちんと済ませてあることが、ドッグランの利用条件になっている場合が多いです。なかには狂犬病の鑑札の提示を求められることもあるため、事前に確認しておきましょう。

<体調>

もし、愛犬が病気の治療中だったり当日の体調が悪そうだったら、ドッグランに連れて行くのはやめましょう。体力を消耗して悪化してしまうことがあるためです。

また、女の子の場合は発情が始まっているときはほかの犬(特に男の子)の迷惑になるため、発情していないときに連れて行くように時期を調整しましょう。


ドッグランのルール

それぞれのドッグランには、自分達だけでなくほかの犬や飼い主さんも楽しく過ごすためのルールがあります。

<トイレ>

もし決められた場所以外でトイレをしてしまったときには、うんちは速やかにティッシュで取り除き、おしっこは水で流してにおいを消すようにしましょう。男の子でいろいろな場所にマーキングをする可能性のある犬は、あらかじめマナーバンドを装着しておくとよいでしょう。

<ゴミ>

排泄物などのゴミが出た場合は必ず持ち帰りましょう。

<飲食>

犬同士が食べ物をめぐってトラブルを起こさないようにするため、基本的にはドッグラン内で犬がおやつやペットフードを食べることや人がものを食べることは禁止されています。

また、タバコを吸うことも通常は禁止されています。


楽しく遊ぶためのポイント

ドッグランに連れて行っても、もしかしたら相性の悪い犬がいるかもしれないため、いきなり愛犬を柵の中に入れてリードを放さないようにしましょう。まずはリードをつけたまま、ゆっくりとドッグランの外を一周してみましょう。柵ごしにドッグランがどういった場所か、どういう犬がいるのかをよく観察します。次に、柵の中に入って同じくリードをつけたまま少し歩いてその場の雰囲気をよく感じ取り、愛犬の緊張や興奮を取り除きます。愛犬の様子が落ち着いていて、ドッグランで問題なく遊ぶことができると判断したら、そこで初めてリードを放します。

ドッグランは犬が楽しむのと同時に、飼い主さん同士が交流を深める場所でもあります。愛犬がほかの犬と遊んでいる間に、飼い方やしつけ、病気のことなど普段気になっていることを話してみましょう。なお、話をしている間も愛犬からは目を離さずに、どこで何をしているのかを常に把握しておく必要があります。相性の悪そうな犬がいた場合はすぐに引き離し、事前にトラブルを回避するようにしましょう。

また、ドッグランで遊んでいると、愛犬は走り回ったり、ほかの犬とじゃれあって遊びに夢中になり、疲れに気がつかないことがあるかもしれません。休憩は早めに飼い主さんが決めて、定期的にリードにつないで休ませるようにし、休んでいる間に水分を補給してあげましょう。ドッグランには水のみ場があるところもありますが、携帯用の水と水飲み容器を持っていくと便利です。


まとめ

都心のドッグランは人の公園の一角に作られていることが多いようです。それは、犬を飼っている人も飼っていない人も共に理解しあって社会で共生できるように、という考えが含まれています。みんなが利用規約を守って気持ちよく過ごせるようにしましょう。

マナーやルールを守って利用することで、さらに愛犬も飼い主さんも思いきり楽しい時間を過ごせるのではないでしょうか。