歯磨きの習慣をつけよう

犬や猫の飼い方は昔と比べて大きく変わり、犬や猫のデンタルケアの必要性についてもかなり多くの方に知られてきていると思います。とは言え、必要とはわかっていても毎日の習慣として歯磨きができている人はそれほど多くはないのではないでしょうか。

今回は、デンタルケアの必要性や上手に歯磨きができるようになるコツをお話します。


歯磨きはなぜ必要?

犬や猫の歯は基本的に虫歯になりにくい性質があるので、虫歯予防の目的で歯磨きをするわけではありません。しかし、歯磨きをしないと歯垢が溜まって歯石がつき、「歯周病」になりやすくなります。

歯周病は、バイ菌が歯根に入り込み化膿することをいいます。歯周病を放っておくと口臭がひどくなるだけでなく、歯茎が腐り、最後には歯が抜けてしまいます。

歯周病がひどくなると骨が溶けて皮膚に穴が空いたり、心臓や肝臓など全身的に悪影響が出ると言われています。歯の健康を保つことは全身の健康にもつながると言えるため、子犬・子猫の時からしっかりと歯磨きをする習慣をつけ、歯周病予防をしてあげる必要があるのです。


歯のケアをしないと、どうなる?

では実際に歯のケアをしないと、どのような問題が出てくるのでしょうか。

愛犬・愛猫の口の中を、チェックしてみましょう。

✔ 口臭がする

✔ 歯の色が黄色い、または茶色っぽい

✔ 歯石がついている

✔ 歯茎が赤く腫れている

✔ 歯がグラグラしている / 歯が抜けた

✔ 季節に関係なく、ヨダレが多く出ている

✔ ご飯をポロポロこぼしている、または、食べるのが遅くなった

✔ 硬いものを噛まなくなった

✔ 口の中のどこかから出血している

✔ 口をあけたがらない、触られるのを嫌がる

これらの症状が一つでもあれば、一度、動物病院での歯の検診を受けたほうが良いでしょう。


まずは触れられることに慣れましょう

飼い主さんとの信頼関係ができていないと、犬や猫は口の周りを触られるのを嫌がります。初めて歯磨きをする子は、飼い主さんが口の周りを触り、慣れることから始めましょう。

次にやさしく唇をめくって、指でなぞるように触ります。

もし触るだけでも嫌がるようなら、無理にやろうとせずに何日もかけて慣らしてあげましょう。無理に歯磨きをすると、歯磨きは嫌な事だと思ってしまいます。ゆっくりやさしく、声をかけコミュニケーションをとりながら行いましょう。


歯磨きの仕方

1、まず歯ブラシを用意します。ペット用の小さなものか、子ども用を使用しましょう。

  初めての場合はガーゼを指にまいて歯ブラシの代わりにしてください。

2、まずは前歯の外側を磨きます。

3、慣れてきたら前歯から奥歯へゆっくり移動して磨いてください。

4、反対側の手で頭が動かないように持ち、歯と歯茎の間にあて円を描くようにマッサージしてあげてください。歯石をこすり落とすようにするといいでしょう。

5、歯磨きが終わったら、よく褒めてあげてください。(大事!)


歯のケアのアドバイス

歯磨きをするタイミングは特にありませんが、人間と同じように食後に歯磨きをしてあげるのが一番の理想といえるでしょう。食後に歯磨きをする時間がないという場合は、寝る前などの落ち着いた時間におこないましょう。

毎日歯磨きができない場合は、デンタルケアができるおやつを与えたり、歯磨き効果のあるガムやおもちゃ(ロープ)などの商品を使っているのも良いと思います。

日頃から色んな形で予防をしてあげる事をお勧めします。


おわりに

犬や猫も人間と同じように、歯は一度悪くなると取り替えることのできない、とても大事なものです。

当たり前ですが、犬や猫は人間と違って自分で歯を磨くことができないので、飼い主さんが歯のケアをしてあげる必要があります。毎日の歯磨きは大変だとは思いますが、最近では飲み水に混ぜるだけで口腔ケアができる製品や、サプリメントも販売されています。無理なく続けられる形で愛犬・愛猫のお口の健康を守ってあげたいですね。