効果的な『犬の𠮟り方』とは?

犬と共に生活するという事は、楽しいことばかりではありません。時にはイタズラに悩まされたり、飼い主さんの言う事を全く聞かない事もあります。

そのような時には正しく叱って、『ダメなことはダメ』と認識させてあげる事が必要です。


叱る時の掛け声

叱る際は、愛犬の名前を呼んではいけません。名前を呼んで叱ってしまうと、犬が『名前を呼ばれると叱られる』と思い込んでしまい、名前を呼んでも来なくなってしまう可能性があるからです。そのため、叱る時には「だめ!」「いけない!」などの言葉を、状況に応じて軽い口調から激しい口調まで使い分けます。

叱る時のポイントは、いけない事をしている時かその直後(3秒以内)目を見て叱ることです。メリハリをつける事も必要です。

愛犬が望ましくない行動をしたときは、中途半端にやさしい声で「ダメ」と言っても、犬自身は叱られていることが理解できません。大声で怒鳴りつける必要はありませんが、冷静にきっぱりと「ダメ」と言いましょう。これを繰り返すことで「ダメ」「いけない」などの言葉が罰ということを理解させます。言葉に従ったらたっぷり褒めてあげましょう。

また、敏感な性格の子に怒鳴り散らしてしまっては逆効果になります。怒りを込めた厳しい口調や表情は、ワンちゃんを萎縮させすぎたり、反抗的にさせてしまうことがありますので気をつけましょう。


服従姿勢でしつける

犬を仰向けにさせたり、口を持って押さえつける、首筋をつかむなど、嫌がることを行い我慢させる訓練をします。

犬がおなかを見せるのは「服従のポーズ」ですが、それはあくまでも自分からおなかを見せる場合です。嫌がっているのに無理やり仰向けにしても意味がありません。この叱り方で非常に怖がる犬もいます。

怖がった犬は自分の身を守る為に仕方なく飼い主さんを咬むこともあります。信頼関係を壊さない程度で叱りましょう。


無視して諦めさせる

犬が自分の要求を実行してもらうために過剰な行動を取る場合は、「無視」をします。

食事や遊びを飛びついたり、吠えたりすることで催促するなどの問題行動を直そうとするときの一番大切な方法です。大好きな飼い主さんから無視されるのは、犬にとってはつらいことです。

食事や散歩をせがんで吠える、かまってほしくて飛びつくなど、飼い主さんに何かを要求しているときは、無視することが有効です。このとき、声をかけることも目を合わせることもせずに、徹底的に無視をします。無視を始めると一時的にその動作がひどくなることがありますが、吠えたり飛びついたりしてもかまってくれないということがわかれば、しつこくするのをあきらめます。

この方法は徹底して行うことがポイントで、飼い主さんの根気が必要です。


天罰をあたえる

声で叱ってもあまり効果がないときは、ジャラジャラ音が鳴る缶を落としたり、酢を薄めた水をスプレーするなど、不快さや驚きを与えます。やってほしくない行動を中断させるときに効果的です。

この時に大切なことは、飼い主さんがしているとは絶対に気づかれないようにすることです。あたかも天罰が当たったかのように、飼い主さんの指示に従わなかったから不快なことが起こった、と犬に思わせるのです。飼い主さんと罰を結び付けられないので信頼関係に亀裂がはいることはありません。

飼い主さんがやっていることがわかってしまうと、避けたり隠れてするようになる可能性があるので注意が必要です。


隔離する

いけないことをした時、犬を数分間ひとりぼっちにします。群れで生活していた犬にとって、ひとり放置されるのは非常につらいことです。

部屋であれば犬を残し家族全員がその部屋を退室し、数分たったら静かに部屋に戻ります。


やってはいけない叱り方

・時間が経ってから叱る

・ご飯を与えない

・散歩に連れて行かない

これは、犬にとって理解できる行為ではなく、虐待にしかなりませんのでやってはいけません。

効果的な叱り方は、必要かつ十分な強さでなければなりませんが、それは犬の性格によって異なります。強すぎれば恐怖心を与え、弱すぎれば効果がありません。叱るということは、とても難しいのです。愛犬にとって最も効果的な叱り方を飼い主さんが見極めることが大切です。


おわりに

言うまでもありませんが、絶対に体罰(殴る・蹴る)をしてはいけません。「体罰も愛情を持って使えば大丈夫」などという言葉を聞きますが、痛みや恐怖の中で、犬が人から受けた罰を愛情と汲み取れることはありません。体罰を含め、犬が恐怖を覚えたり、危害が及ぶような行為からは、信頼感は生まれません。すぐに言う事を聞くようにならなくても、根気強く何度も叱って「いけないこと」を覚えてもらいましょう。


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