今は元気いっぱいで食欲旺盛な子でも、病気になったときは食欲がなくなってしまい、強制的に薬を飲ませなければいけなくなる日が来るかもしれません。そんな時に皆さんは上手に薬を飲ませる自信がありますか?また、今までペットに薬を飲ませようとしたけど、失敗してしまったことのある人はいませんか?
今回は、ペットにお薬を飲ませるときのコツやポイントをお薬の形状別にお話します。
薬を飲ませる時の失敗例
まず、犬や猫で自発的に薬を飲む子はほとんどいません。いつものご飯の上に薬を置いたり、粉薬をふりかけたりして食べさせようとしても、上手に薬だけを残されてしまう場合がほとんどです。また、口の中に薬を入れたつもりでも、あとになって床に薬が落ちていたりする例もよく聞きます。飲んだふりをして上手にペッと吐いたり、ほっぺの内側などに隠しておいた薬をこっそり吐き出しています。
さらには、薬の時間になるといつのまにか人の手が届かないところに逃げ隠れしてしまって、ちっともつかまらない、という子もいるかもしれません。
薬はペットにとって嫌なものだと認識されるのを避けるために、なるべく無理やりあげるのはやめましょう。嫌なものを与えてくる、という記憶からペットは飼い主さんから逃げ回ってしまうこともあります。そうなった場合、毎日の投薬がとても大変なものになってしまいますし、動物にとってもストレスです。
薬の準備のコツ
投薬はほとんどの場合、数日間続けなければいけません。投薬のたびにバタバタしていたら薬を飲むことが嫌いになってしまうので、まずは準備をぬかりなくすることが大切です。
雰囲気を察して逃げられないように、準備はなるべくペットに見つからないように行いましょう。シートに入った錠剤やカプセルは必要な分をあらかじめ出しておき、つまみやすく、転がってしまわないように小さな容器にいれておくと便利です。水の入ったスポイト、口をぬぐうためのタオル、さらには何しても飲んでくれない子など、抵抗することが予想される子には最終手段として、大きめのバスタオルなどを用意しておきましょう。
薬を飲ませる時のコツ<錠剤・カプセル>
ポイントとしては、「なるべく口の奥に入れる」ということです。利き手ではないほうの手で上あごを持って口を開けたら、利き手に持った薬を口の中のなるべく真ん中の奥のほうへ入れます。入れたら素早く口を閉じて鼻を少し上に向かせて、喉をさすります。喉が動いて飲み込むのが確認できたら、よくほめてあげましょう。逃げようとする場合は、ペットを座らせて後ろ側からおこなうと逃げ道をふさぐことができます。
薬を飲ませる時のコツ<粉薬>
味のあまりない粉薬であれば、少量のペースト状のフードの中に混ぜて食べさせることが可能です。ただし、これは食欲があり、そのフードが好きであることが条件となります。
食欲がない場合には粉薬を少量の水で練って上あごに塗りつけたり、水に溶かしてシロップ薬として飲ませるなどの工夫をしてみましょう。錠剤なら飲ませる自信がある、という方は薬局で空のカプセルを買ってきてそれに詰めて飲ませる、という方法もあります。
錠剤で全く飲まない子でも、甘いシロップなら飲んでくれる子であれば、診察時に獣医師に伝えましょう。錠剤の薬は粉末状にして処方することが可能です。
薬を飲ませる時のコツ<食べ物に紛れ込ませる>
チーズやおやつなどペットの好物の中に薬を入れて一緒に食べさせてしまう、という方法もありますが、時々「美味しい所だけ食べて、薬は残された!」という話を聞きます。食べ物に紛れ込ませて薬を飲ませる時には、なるべく食べ物の分量は少なく、薬の周りをコーティングする程度にしておきましょう。そして薬を確実に飲んだら、ごほうびとしてもう一回り大きな食べ物を与えるようにすると、薬に対してあまり嫌悪感を感じないで済むかもしれません。
薬を飲ませる時のコツ<必ず確認する>
飲んだふりをして口の中に薬が残っていることがないように、薬を口に入れた後は必ず喉の動きを確認してください。飲み込んだあとに鼻の頭をぺろりと舐めたら、ほぼ確実に飲み込んでいます。もし飲み込む気配がなければ、スポイトに入れた水を少し口の中に含ませてみましょう。水と一緒に飲み込みやすくなるでしょう。また、鼻に息を吹きかけたり、鼻の頭に少量の水をつけても飲みやすくなるので、試してみてください。
おわりに
どんなに元気なペットでも、予防薬のお薬を飲ませたり、病気でお薬を飲ませなければいけない状況がいつ来るかも知れません。お薬は確実に飲んで初めてその効果が発揮されるものです。ペットが嫌がるからお薬は飲ませたくない、という方もいらっしゃるようですが、だからこそペットのストレスにならないようにスムーズにお薬を飲ませられるようにしておくことが大切です。
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