ねこの顎を撫でていて、黒いポツポツがあるのを発見したことはありませんか?これは、顎と下口唇といった限定した場所にできる、人間でいうニキビのような病変です。
挫創(ざそう)とは
ねこにできる挫創とは、顎と下口唇にできる人間でいうとニキビのような病変です。大抵1歳頃からでき始め、治ったりまた悪くなったりを繰り返します。初期段階では、小さな黒いポツポツが顎や唇の周りの毛に付着している程度で、進行して痒みや痛みが出てくるまでは、猫自身はあまり気にしません。そのままにして悪化してくると毛が抜けたり皮膚が黒っぽくなったり、ひどいと潰瘍ができたりします。
原因
主に、皮脂腺から出る分泌液が詰まることで起こる炎症が原因です。また、免疫状態や皮膚の代謝が悪化すると、口の周りに付着している細菌が増殖して皮膚が炎症を起こして発症する場合もあります。
菌が増殖するきっかけ
では、原因となる菌が増殖するきっかけとは一体何でしょう。
詳しい原因は分かっていませんが、過剰に生産された皮脂が毛根部に詰まることによって、汚れが溜まり皮膚にいる細菌が増殖しやすい環境ができてしまうと考えられています。
ちなみに、オス猫とメス猫に発生頻度の差は見られないことから、性ホルモンはあまり関係ないと考えられています。
症状
症状には個体差がありますが、以下のようなものがあります。
- 先端の黒い小さなニキビが顎と下唇にできる
- 顎が腫れる
- 赤く腫れる、出血する
- 毛が抜ける
- 顎の下が黒ずむ
- 顎の下を痛がる
治療方法
一番重要なのはニキビのできている部分を清潔に保つことです。ニキビが発生する顎の下は、食餌の時や水を飲んだ時に汚れが付きやすく、ねこ自身もなかなか綺麗にできない部分です。汚れが付いていることに気付いたら、以下のことを実践してみてください。
- 毎日10分ほど、お湯に浸したタオルやティッシュで拭いてあげる。この時ゴシゴシと力を入れて拭くのではなく、汚れをお湯でふやかして取る感覚で行いましょう。
- 汚れを綺麗にした場所の水分をきちんとふき取る。
これら二つの方法を行うだけで、大抵の挫創は治るでしょう。
しかし、清潔に保つだけでは炎症がなかなか収まらずに赤くただれてきたりする場合もあります。そのような場合には動物病院で処方される消毒液を使って細菌の増殖を抑える必要があります。それでも良くならない場合には、炎症を抑える飲み薬や抗生物質を動物病院で処方してもらいましょう。
まとめ
この病気は、ねこ自身では症状が進行しないと気がつかないことがほとんどです。しかし、一度なってしまうと完治するまでに時間がかかってしまう場合もあります。
そうならないためにも日頃から愛猫のボディチェックを行い、飼い主さんが早めに気付いてあげられるように心がけましょう。
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