血液検査でわかること ~血液型と一般血液検査~

愛犬や愛猫の体調が悪くなり動物病院へ行った際、獣医さんに「血液検査をしてみましょう」と言われることがあると思います。

なぜ血液検査をするのか、血液検査でどんなことが分かるのかなど、今回は血液検査についてお話します。


そもそも犬・猫の血液型ってあるの?

犬や猫も人間と同じように血液型があります。犬は13種類以上あると言われていて、国際標準ではDEA式での分類が使われており、9種類の血液型が認められています。

猫ははっきりわかっている血液型はAB式でA・B・ABの3種類があり、O型は存在しません。

ペットの血液型を知る機会は少ないかもしれませんが、血液型を知っていると、突然の事故や病気で輸血が必要になった際にスムーズに行えるという利点があります。


血液検査って簡単にできるの?

動物病院では、簡単に血液検査をすることができます。犬や猫も人間と同じように静脈から採血します。

ただ、『採血するので動かないでくださいね』と言っても伝わらないので、軽く保定する必要があります。

検査結果がでる時間は検査する項目によって変わってきますが、通常の検査では来院したときに検査結果を知ることが出来ます。また、詳しく検査するために専門の検査センターに血液を送って検査をすると、1~2週間かかることもあります。

食事との関係は、検査項目によって変わってきますが、通常の血液検査であれば検査前に水や食事を与えても特に問題ありません。


検査方法

方法としては、血液そのものだけをスライドガラスにのせて顕微鏡で見る方法、染色をして顕微鏡で見る方法、専用の検査キットに血液を2~3滴たらせば結果がでるもの、血液を分離して検査する方法など様々です。


血液検査でわかること

血液検査を大きく分けると、「血液一般検査」「免疫・血清学的検査」「生化学的検査」 の3種類になります。

【血液一般検査】赤血球、白血球、血小板など血液そのものの形や量を調べます。

【免疫・血清学的検査】病気により発生した血液中にある抗原抗体反応の様子を調べます。

【生化学的検査】血液中に含まれる物質(たんぱく質、糖質、酵素など)の成分を調べます。


【検査でわかる主な病気】

・肝疾患

・腎疾患

・内分泌疾患

・貧血

・感染症        


など、さまざまです。

それぞれの項目に正常値があり、異常値が出た場合は何らかの病気のサインである可能性があります。


血液検査をする目安

犬の場合は、年に1度春にフィラリアの血液検査が必要になります。もしフィラリアに感染している状態でフィラリアの予防薬を飲ませると副作用が出る場合があるため、それを避けるために血液検査でフィラリア感染有無の確認が必要なのです。

その時に採血する血の量を少し増やせば、フィラリアの検査だけでなく、他の種類の血液検査も一緒にすることもできます。

体調の悪い時に獣医さんの判断で血液検査をする時はもちろんですが、それ以外にも、定期健康診断で半年に1回や1年に1回血液検査をすることは大切な健康管理です。人間より生きるスピードが速い犬や猫にとって、病気の早期発見につなげるためには、これ位の間隔で検査することをお勧めします。健康な時に血液検査をしておくことでその子の正常値を知ることができるため、もし具合が悪くなった時でも何の値が変化しているのかを判断することができます。

歳をとるごとに血液の数値は徐々に変化していくものもありますが、早期発見できれば治療までしなくても健康管理で防ぐことが出来る病気もあります。


血液検査の注意点

しかしながら、血液検査ですべての病気がはっきりわかるわけではありません。血液検査だけではわからない病気もあるため、他の検査も行って総合的に判断する場合があります。

もし気になることがあればかかりつけの獣医さんに相談して、その子にとって何の検査が必要か決めていきましょう。定期健康診断でも相談しながら検査するのが良いでしょう。


おわりに

「検査」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、そんなに難しいことではありません。

定期的に健康状態をチェックすることはとても重要なことです。検査結果に特に重篤な異常が見つからなくても日頃の生活習慣を見直すきっかけにもなりますし、少しの異常から病気の早期発見・早期治療に役立ちます。

体の状態をチェックする方法の1つに「血液検査」があると知っておきましょう。

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