ワンちゃんの耳の形

犬は種類によって、大きくてがっしりした体格の子もいれば、小柄で華奢な子もいます。体の大きさが違うように、犬の耳の形も同じように様々です。

今回は犬の耳だけにスポットを当ててみましょう。


耳の構造とその名称

耳の大きく張り出している部分のことを耳翼(じよく)、もしくは耳介(じかい)といいます。耳翼は軟骨を皮膚が覆う構造をしており、中には細かな血管が走行しています。この軟骨が犬の耳の形を決定しています。耳の根元には耳を動かすための小さな筋肉がたくさんあり、耳を動かして向きを変えることによって周囲の音を集めて聞き取ったり、耳を立てたり、後ろに寝かしたりすることで感情を表現しています。

また、耳の中をびっしりと走行している細かな血管は、暑い地方の犬では熱を放散するための器官としても重要です。


さまざまな耳の形

耳の形は犬の特徴となり、犬種によって形が分かれています。


【プリックイヤー】

いわゆる“立ち耳”と呼ばれるまっすぐ立った形で、柴犬やジャーマンシェパードに見られます。ドーベルマンやグレートデンなどのピンとした耳を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの犬はもともと大きく垂れ下がっていた耳を、断耳という耳を切って形を整える手術を行うことによってプリックイヤーのように見せています。


【ドロップイヤー】

ミニチュアダックスフンドやプードルなどのように大きな外耳翼が垂れ下がっている耳のことをいい、日本語では“垂れ耳”と呼ばれます。特に大きく垂れ下がった耳で有名なバセットハウンドはその耳で風をよけながら地面の臭いを嗅いで獲物を追うといわれています。一般的にドロップイヤーの犬は耳の中の汚れが外に出にくく蒸れやすいため、定期的な耳のお手入れが必要です。


【ローズイヤー】

耳の内側のひだを外側に向けるようにして倒れている耳のことをいいます。そのひだが重なっている部分がバラの花のように見えることからローズイヤーと呼ばれるようになりました。ブルドッグやウィペットなどが代表的な品種です。


【セミプリックイヤー】

半直立耳といい、耳の先だけが前方に垂れた耳のことをいいます。コリーやシェットランドシープドッグなどがその代表ですが、ローズイヤーもセミプリックイヤーに含まれることがあります。


【ボタンイヤー】

セミプリックイヤーよりももう少し垂れた部分が大きく、立ち上がっている耳の根元を垂れた部分が蓋のように覆っている形のものをいいます。ワイヤーフォックステリアやパグなどにみられますが、それぞれの品種によって理想的な垂れ方(垂れる大きさや角度)が存在するようです。


【バットイヤー】

左右の耳が離れていて、幅が広く先端が丸い耳のことで、この形がコウモリ(バット)が翼を広げているように見えることから、この名前がつきました。主にフレンチブルドッグに見られます。


【バタフライイヤー】

蝶が羽を広げたように大きく左右に張り出した耳をもつパピヨンの耳に用いられる名称です。パピヨンという言葉はフランス語でチョウチョのことをいいます。


【チューリップイヤー】

絵に描かれたチューリップの絵のように、左右の間隔の狭い頭の上のほうにピンと立った耳のことです。ブルテリアに代表され、大き目の尖った耳が正面を向いてとても目立っています。


まとめ

さまざまな耳の形について説明しましたが、それぞれの品種のスタンダードとして、理想的な耳の形についてはもっと細かく規定されています。たとえばプリックイヤーでも、ある品種は垂直に立っていることが好ましく、ある品種はやや前方に向かって立っているほうがよいとされています。しかし、これはあくまでも品種のスタンダードを定めたものです。

犬によって形が違う個性的な耳も、とてもかわいらしいですよね。どんな耳の形、体格や見た目であったとしても、巡り合った愛犬にはその子にあった方法で可愛がってあげましょう。