ペットとの絆を深める「幸せホルモン」の秘密

ペットと触れ合って幸せを感じている時に、人とペットの両方に、あるホルモンが分泌されているのはご存知ですか?

今回は、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」についてお話します。


オキシトシンとは

出産時に子宮筋を収縮させる作用や、乳汁を出しやすくするための分泌促進作用ホルモンをオキシトシンといいます。

オキシトシンは脳から分泌されて授乳に関与するだけではなく、母と子の絆を強くする働きがあることが米国立科学アカデミー紀要で発表されました。母親とたくさんスキンシップをとって愛情を多く受けた子どものオキシトシン量は、母親の愛情を受けずに育った子どもに比べて高いというデータがあり、オキシトシンは母と子の絆に大きな影響を与えていることが分かっています。その効果は母と子だけではなく、夫婦や恋人同士、あるいは親友同士の結びつきにも密接に関連しているといわれています。

つまり、オキシトシンは互いの関係を円滑にし、他人との心理的境界を健全に保っているのです。


また、別の実験結果によりオキシトシンにはストレスを軽減させる働きや、相手の共感を得たり信用させる働きがあることが分かっています。また、オキシトシンは人間だけではなくサルや犬などの哺乳類の脳内でも分泌されています。


人と動物に関係するオキシトシン

人が動物の体を優しく撫でることで人間の体内でオキシトシン量が高くなり、触られた動物の体内でもオキシトシン量が高くなることが証明されています。つまり、人と動物が触れ合うことによって、オキシトシンがたくさん分泌され、お互いに良い効果が得られるのです。


癒し療法の「動物介在療法」

動物介在療法とは、動物との触れ合いによって心と体を癒す療法で、心理的・生理的、あるいは道徳的効果が実証されていることから、医療や福祉の現場で注目されています。動物介在療法の効果は、まだ科学的に証明はされていませんが、軽・中度の認知症の方には、確実に効果があることが分かっています。

動物介在療法の1つにイルカを用いたものがあり、イルカと一緒に泳いだり、遊んだり、触ったりすることによって自閉症やうつ病に対して心理治療的効果があると期待されています。イルカのパワーは科学的に証明することは難しく、明確に効果が証明されているわけではありませんが、ある仮説によるとイルカは超音波を使って人間の脈拍・血圧を認知して健常者と障がい者を見分けることができるといわれています。

例えば、たくさんの人が同じプールで泳いでいても自閉症児を見分けてその子のそばに回りこみ、「自分はイルカに特別扱いされた」と自分の存在価値を再認識させてくれるのです。


まとめ

人と動物が時間を共有することで人は動物の暖かい温もりに癒され、動物も人の存在に安心してお互いに良い影響を与えるようになりました。

その中にオキシトシンが関係していると分かることで、これまで以上にペットとスキンシップをとって幸せな生活を過ごせるとよいですね。

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