病気もケガも、ならないために予防をすることが重要ですが、その次に大切なのが、早期に発見することです。
少しでも早く変化に気付けるように、また愛犬や愛猫との毎日のコミュニケーションとしつけの意味も兼ねて、毎日ボディーチェックすることを習慣にしましょう。
今回は、愛犬や愛猫の日々必要なボディーチェックのポイントについてお話します。
動作
犬や猫の性格によっても判断基準が異なるため、まずはその子の性格をよく把握しましょう。毎日の習慣をよく観察することも大切です。
食事のペースや飼い主さんをお出迎えするタイミング、おもちゃで遊ぶ時の興奮の具合、好きな場所にいる時間帯や、ライバル視してしまうぬいぐるみなど愛犬や愛猫が向き合っている相手に対する反応を普段から知っておけば、いつもの反応との違いで元気がない時には判断することができます。
目
健康な状態の目は、適度に潤んでいてきれいな透明感があります。落ち窪んでなく、動くものを追いかけることができます。また、ペンライトなどで照らすと黒目が縮みます。
「あっかんベー」をしてまぶたの内側を見ると、きれいなピンク色をしています。白目は充血したり黄ばんだりすることなく、真珠のように真っ白な状態が正常です。
目やにがついていてもほんの少しで、1日1回拭いてあげれば取れる程度なら、病気と断定することはできません。涙が流れるくらい出てしまうときには、通常よりも量が多く病気の可能性があります。特に目の病気は進行が早いものもあるため、少しでも気になることがあれば様子を見ずに動物病院で受診することをおすすめします。
耳
健康な耳たぶは触ると少し温かく、優しく引っ張ったりめくったりしても嫌がることはありません。
正常な場合、外側には毛が生えていて、耳たぶの内側はきれいな肌色で充血したり汚れたりしていることはありません。また、耳の穴の中も耳たぶの内側と同じくきれいな肌色をしていて、汚れや臭い、赤みなどがない状態であれば問題ありません。
鼻
「健康な鼻は湿っている」という話を聞いたことがあると思いますが、寝ているときや起きたばかりの時は乾いていることもあります。また、湿っていても体調が悪い場合もあるため「鼻が湿っているからうちの子は健康」と判断するのは危険です。
くしゃみや鼻水が出たり、いびきをかいたりしていたら健康な状態ではないため、これらの症状がひどい、または続いている場合には動物病院で受診しましょう。
口
まずは歯石の有無を確認します。歯石は特に奥歯に付きやすいので「いーっ」として奥歯の付け根を確認します。また、正常な場合の歯茎はきれいなピンク色をして滑らかな光沢があります。ただし、正常でも生まれつき歯茎に黒い色素が付いている場合もあるので理解しておきましょう。
通常ではよだれや口臭は出ないため、よだれや口臭がある場合には口の中の病気が疑われます。
爪
猫の場合、爪とぎの習慣があるためあまり心配はいりませんが、飼い主さんが普段から爪を切っているようなら、自分で上手に爪とぎができていないことが原因で古い爪が残ってしまい、爪の状態を悪くしてしまうこともあるため、こまめに爪の状態をチェックしましょう。
犬では室外飼育で散歩も十分なら心配ありませんが、散歩が十分でない場合や、特にフローリングなどの室内で飼育している場合には、長くし過ぎず適度な長さを維持するように徹底しましょう。長すぎる爪は足腰に悪いうえに、カーペットや段差に引っかけて爪がはがれてしまうかもしれません。特に狼爪は地面にこすれないため伸びてしまう一方なので、こまめに切ってあげる必要があります。
便
食事の質や量、生活習慣などによって排便の回数や1回の量には個体差があります。しかし、どの子でも当てはまることとして便の硬さが挙げられます。正常な便は硬めで、つかんで持ち上げても形が崩れることはないため、便がこれよりもやわらかい状態であるならお腹が緩くなっている可能性があります。また、粘膜や血液、異物がついていることも正常ではないため、このような状態がみられる場合には動物病院へ相談してみましょう。
尿
食事の質や量、飲水量、運動量などによって排尿の回数や一回の排尿量には個体差があります。しかし、濃さには差があっても見た目は透明感のある黄色が正常で、赤みや茶色みがある場合には注意しましょう。強すぎない程度の刺激臭があります。
まったく色がない、またはまったく臭いがしない尿は健康な状態ではないため注意が必要です。排尿姿勢をとっても尿が出ない、または何度も排尿する場合には、膀胱や腎臓が悪いのかもしれません。また、生殖器の病気である可能性もあります。特に猫は健康であればトイレの回数が少ない動物なので、普段から1日に行くトイレの回数を数えておき、少ないと感じたらいつもの回数と比較して判断するとよいでしょう。
このような排尿に関する異常があるときには、重い病気の症状である場合が多くあるため、“様子を見る”ことは決してしないで動物病院へ連れて行きましょう。
まとめ
愛犬や愛猫のほんの少しの変化は、発見しづらいときもあるかもしれませんし「もう少し様子を見よう」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、過剰に心配する必要はありませんが、もしかしたら重い病気が隠れているかもしれないという可能性もあることをよく頭に入れておくことが病気の早期発見につながります。「正常」や「普段」の状態を日頃からよく把握しておくことで、いざという時の「異常」に気が付けるのだということをよく理解して、愛犬や愛猫の健康を守ってあげてくださいね。
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