人間は汗をかく暑い時期のほうが「臭い」が気になることが多いですが、ペットの臭いは、冬のほうが気になると感じる人の方が多いようです。
今回は、ペットの体臭についてお話をします。
臭いは気のせい?
どんなにきれいにしている犬でも、無臭ということはありません。
過ごしやすい気候の春や秋は家の窓を開けることが多いため風通しがいいことに加え、適度に湿度があります。ところが寒くなってくると、家中の扉や窓を締め切り、暖房を効かせて家族全員が一ヶ所に集まりがちです。そして、空気が暖かいと臭いを強く感じるようになります。扉が締め切られていれば空気は部屋の中にこもりますし、夏や秋と比べて人間とペットが近い場所でじっとしていることも多いでしょう。
このように、冬は臭いを強く感じる環境が整うのです。温まる、こもる、近づく、乾く。風通しが良く涼しくて、それぞれがお気に入りの場所でのんびりしている季節よりも、確実に強く臭います。
これは犬のせいではなく環境のせいなので、防ぎようがありません。臭いが気になる場合は、可能な限り暖房を切って換気する時間を設けましょう。
体臭以外の臭い【耳の臭い】
犬を外で飼っている場合は暖房も扉も関係ありません。むしろ寒い場合は、臭いは弱くなるはずです。なのに臭いと感じるならば、耳が臭っているのかもしれません。
むやみに頭を振る、耳を掻く仕草が多いなど、動物が耳を気にしている行動があれば、耳を臭ってみるだけではなく、よく観察してみましょう。耳の周りの毛に汚れがこびりついていたり、ドロッとした物がついている場合は、耳に病気があるせいで臭っています。
日本犬や雑種であれば、日本の気候に適した体質をしているので、体質に合ったフードを食べて体を清潔にしていれば、耳が悪くなる心配はあまりありません。しかし、室内飼育や垂れ耳の犬種は、耳の中に湿気がこもり蒸れてしまいます。その上、洋犬の多くは耳の中に雨や雪、湖や川の水が入らないように、外耳道と呼ばれ耳の入り口付近の皮膚から脂がたくさん出ます。その脂に汚れが付着し、蒸らされてしまうため、臭うようになります。
汚れや臭いなどがなくても、頭を振っていたり足で耳のあたりを掻いていたりしたら耳の病気を疑ってください。耳の中に黒い耳垢があったり、皮膚が赤くなっていたりしたら、すぐに動物病院で受診しましょう。耳だけに住み着く「耳ダニ」もいます。
原因が何であれ、耳の病気は完治するまでに長い時間がかかります。発見と治療の開始が早ければ、完治も早まることを覚えておきましょう。
体臭以外の臭い【口の臭い】
体臭ではなく、口臭が原因の場合もあります。犬や猫は人間に比べて虫歯になりにくいですが、その分歯周病になりやすく、3歳以上の犬猫のおよそ80%が歯周病だと言われています。
食べたものが歯垢となり歯に付着し、それが温床となって歯周病菌が繁殖してしまうのです。歯周病になると口臭が強くなるため、体を舐めた際にペット自身に臭いがつき、さらにおもちゃや使っているベッドにも臭いがうつります。口の病気は臭いの問題だけではなく、ペットの全身状態まで影響すると言われていますので、すでに口臭が気になった場合は動物病院へ相談しましょう。また、まだ口臭が気にならないという場合も毎日のデンタルケアを心がけましょう。
おわりに
ペットの臭いは衛生上の問題だけではなく、ペットの健康にも大きく影響します。定期的にペットのシャンプーをすることに加え、生活環境を整えて清潔を心がけましょう。それでも臭いが気になる場合は病気の可能性も含め、獣医さんに相談してみると良いでしょう。
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