多くの犬はお散歩が大好きですよね。寝ていても「お散歩に行こうか」と声をかけると飛び起き、お散歩用のリードを見せると嬉しくてぐるぐる走り回ったりする子もいます。しかし、そんな犬がある日突然リードをつけてもじっとしたままで、お散歩に行きたがらなくなってしまった時、どんな原因が考えられるのでしょうか。
犬が散歩に行きたがらない理由
その1:動くと痛みがある場合
- 変形性関節症や、関節の形成不全症などで関節が変形したり、炎症を起こすと動くたびに痛みが生じます。ある日突然激しい痛みを訴えることもあります。
- 普段から体に合わないハーネスや首輪をつけてお散歩をしている、さらにぐいぐいと引っ張ってお散歩をする癖のある場合には、体に当たる部分に痛みを感じるようになり、首輪やハーネスをつけるのを嫌がるようになります。
- 何かの拍子に筋肉が断裂してしまったり、関節が脱臼するような怪我を負うと、突然動くことができなくなってしまいます。
これらの筋肉や関節などの運動器官に問題がある場合は、運動を嫌がり、痛みのある部分を触ったり手で動かそうとすると逃げようとしたり、怒ったりします。どこか痛い場所がある場合にはなるべく早く動物病院に連れて行って診察・治療を受ける必要があります。
その2:動くと苦しくなる場合
- 高齢になると、犬は特に「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓疾患を抱えやすくなります。この病気にかかると、心臓の弁がうまく閉まらなくなり、全身に血液が回りにくくなってしまうため、運動をすると呼吸が苦しくなってしまいます。
- 小型犬に多い病気で「気管虚脱」という病気があります。これは気管が通常よりも狭くなってしまうため、呼吸がしづらくなってしまう病気です。進行性の病気で、ひどくなると歩けなくなるほど呼吸が苦しくなることがあります。
- 細菌感染などで肺炎を起こすと肺で酸素を十分に取り入れることができなくなるため、呼吸が苦しくなってしまいます。
- さまざまな原因で貧血になると、全身に酸素を十分に運ぶことができなくなるため、酸素がさらに足りなくなり苦しくなってしまいます。
- フィラリア症で心臓の中にフィラリア成虫が寄生すると、心臓病と同じように全身に血液を十分に循環させることができなくなってしまいます。
肺や心臓など呼吸器や循環器に問題がある場合、犬は呼吸が苦しくなります。さらに状態が進行し体に酸素が足りなくなると「チアノーゼ」といって舌が紫色に見えることがあります。これらの症状が見られた際には、一刻も早く動物病院で診察を受ける必要があります。
その3:その他身体に問題がある場合
- 肥満は関節などの運動器と呼吸器の両方に負担をかけます。
- 急激な視力低下によって、外に出るのを怖がる場合があります。
- 子宮蓄膿症、肛門腺炎など体の一部に膿が溜まっている場合や、熱中症や感染症の場合は発熱してだるくなり、動きたがらなくなります。
- 甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症といったホルモン疾患は、症状として無気力や疲労感などがあり、動きが鈍くなることがあります。
- 妊娠すると、体がだるくなるだけでなく、なるべく自分の巣を守ろうと家の外に出たがらなくなることがあります。
その4:精神的に問題がある場合
- 前回のお散歩で何か怖い思いをした場合(車にひかれそうになった、子供に追い掛け回された、他の犬に吠えられた、猫に引っかかれた、病院など嫌なところに連れて行かれた、近くで爆竹など大きな音がした、など)そのことを覚えていると外に行くことを嫌がるようになります。
- お散歩は運動ではなく、トイレをすることだと勘違いしている場合、排泄したくなければ行く気がなくなってしまいます。
- いつもとお散歩をする人が違う場合、その人のことを信頼していなければお散歩に行くことを拒否するかもしれません。
- 今まで晴れた日の乾いた道路でしかお散歩をしたことがなければ、雨や水溜りで濡れることを嫌がって、天気の悪い日はお散歩に行きたがらないかもしれません。
- 前回たまたま立ち止まったら、おやつをもらえたなどのいいことがあった場合、それを覚えていてまた何かを期待してじっとしているということもあります。
体に異常が見られない場合、何らかの意思を持ってお散歩を拒否している可能性があります。もし、お散歩を嫌なものだと感じているようであれば、無理する必要はありませんが、少しずつでもその気持ちを改善して楽しくお散歩ができるように導いてあげましょう。
まとめ
わんちゃんが今までしていたことを急にしなくなるには、必ずなんらかの理由があるはずです。物言わぬわんちゃんの気持ちを正しく読み取って、なるべく早く対処してあげられると良いですね。
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